ここ最近のヘッドホン/イヤホン市場を見てみると、低価格帯のカナル型(耳栓型)モデルが人気の上位を占めている。ただ2011年あたりから、そのカナル型に新たな潮流が生まれてきた。各社の技術革新などにより、これまでは上位機種や高級モデルにのみ採用されていたバランスド・アーマチュア(BA)ドライバを搭載したカナル型モデルが、入手しやすい価格帯で投入され始めたのだ。これにより、エントリー~ミドルクラスのヘッドホン/イヤホンの選択肢がさらに増え、市場はますます活況を呈している。
そうした中、イメーション「TDK Life on Record」ブランドから、新たなBAモデルが登場する。2011年、格調高い「プレミアム」シリーズからBAモデルはすでに投入されているが、今回は独自の存在感を放つ「CLEF」シリーズ初となるBA搭載イヤホン「CLEF-BA TH-ECBA700BK」を投入(3月21日発売。予想実勢価格は5980円)。ヘッドホン/イヤホン市場において新たに人気を博す、入手しやすいBAモデルに名乗りを上げた格好だ。ここでは、その実力をじっくり見ていきたい。
製品パッケージは、浮遊感のあるデザインで、個性的なイヤホンと相まって特徴的だ。側面には、イコライザーを模した音質傾向がイラストで記載されており、BASS、MID寄りの音作りであることが購入前にわかる。
付属品のシリコンイヤピースは半透明で、イヤハンガーと合わせてすっきりした印象を与えてくれる。S/M/Lサイズとダブルフランジの4種類を同梱する。使い勝手のいいポーチも付属されており、値ごろ感のある価格帯でも充実の内容と言えるだろう。
目を引く形状、鮮やかなブルーでデザインされた「可動式イヤーホルダー機構」は、イヤピース装着後に調整する機構だ。ホルダー部分を指の腹で押し回す感じで自分の耳の形に合わせ、ほどよい位置で決めるとフィット感がグッと向上する。一度位置を決めたら、次回の着脱時にあまり調整することなく使えそうだ。
ピュアオーディオの発想に基づき、コードにもこだわりを見せている。音楽信号の伝送において定評のある銀を、従来の銅線に含有したシルバーアロイ(銀合金)コードを採用。ハイクオリティな伝送を可能にするだけでなく、屈曲強度もあるため断線しにくいというメリットもある。
さらに、コードの表面は編み被服(ブレイデッド)という加工で仕上げられており、絡みにくいのもポイントだ。実際に着けて動いてみると、タッチノイズも軽減されているように感じる。音の入口であるプラグも特殊構造が施され、屈曲負荷を抑える仕様で引っ張りに強いなど、細部まで高級機のような仕上がりとなっている。
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