「写り込み」はセーフ、リッピングはアウトに--著作権法改正案

 文部科学省は、第180回国会に提出した著作権法改正案の概要をウェブサイトで公開した。

 法案では、デジタル化やネットワーク化の進展に伴い利用形態の多様化が進んでいる著作物を円滑に利用できるようにするため、いわゆる「写り込み」(付随対象著作物としての利用)など、著作物の一定の利用行為について、著作権の侵害にならないとする規定を整備した。

 具体的には、他人の著作物が付随的に写り込んだ写真や映像などを自分の著作物に利用したとしても著作権の侵害にならないとしたほか、著作物の利用を検討する過程での利用、録音や録画などの技術開発などのための試験などでの利用、ITで情報提供をするためにコンピュータ上で準備する際の利用などについて、著作権侵害にならないとする規定が設けられた。

 国会図書館が絶版本などの資料を図書館などに配信できるようにするとともに、利用者の求めに応じて図書館がそれを一部複製できるようにした。公文書館の長などが、必要と認められる範囲で著作物などを公衆に提供できるようにした。

 このほか、著作物の違法利用や違法流通の常態化に対し、著作権などの実効性を確保するためとして、技術的保護手段に関する規定も設けられた。

 現行法で著作権などの技術的保護手段の対象となっている保護技術(VHSなどに用いられている「信号付加方式」の技術)に加え、新たに暗号型技術(DVDなどに用いられている技術)についても、技術的保護手段として位置付け、これを回避する行為や、回避のための手段を提供する行為を規制するとしている。

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