日本レコード協会(RIAJ)は3月9日、「違法配信に関する利用実態調査」の結果を発表した。違法ファイルなどの認知・利用率では、動画配信サイトの認知率は68.1%、利用率が29.6%。PtoPファイル共有ソフトの認知率は44.6%、利用率は5.0%。そのほかのPCサイトの認知率は49.3%、利用率は10.4%。携帯電話向け掲示板サイトの認知率は55.3%、利用率は9.4%であった。動画配信サイトの利用率がほかの方法に比べて突出して高いとしている。
アップロードで見ると、動画配信サイトの認知率は58.4%、利用率が14.9%。PtoPファイル共有ソフトの認知率は45.4%、利用率が8.9%、そのほかのPCサイトの認知率は47.2%、利用率が8.6%。携帯電話向け掲示板サイトの認知率は46.0%、利用率は8.4%であった。アップロードでも動画配信サイトの利用率がほかの方法の倍近くとなった。
違法ファイルなどの推定ダウンロード数は43億6000万ファイルであり、正規有料音楽配信の2010年ダウンロード数4億4000万ファイルのおよそ10倍であるという。これを正規音楽配信の販売価格に換算すると6683億円となり、正規音楽配信の2010年間売り上げ860億円のおよそ8倍に相当するとしている。
違法ファイルなどのダウンロードに対する後ろめたさについては、「とても感じる(8.5%)」「多少感じる(38.0%)」と、46.5%は後ろめたさを感じていることがわかった。一方、PtoPファイル共有ソフトの利用を停止したとする回答者の理由は「音楽に対する関心が薄れたから(22.0%)」と続き、「著作権法が改正され、許可なくアップロードされた楽曲をダウンロードすることが違法になったことを知ったから」が29.4%と最も多かった。
RIAJでは2010年8月に「音楽メディアユーザ調査」実施しており、その際に「違法ファイルのダウンロードを経験した」とする対象者を抽出して今回の調査を実施した。回収サンプル数は1217。
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