ネットレイティングスは3月14日、米Cold Brew Labsが提供する写真共有SNS「Pinterest(ピンタレスト)」の利用動向を発表した。ネット利用動向調査「NetView」とソーシャルメディア分析サービス「BuzzMetrics」のデータに基づいている。
Pinterestは、コルクボードに写真を貼っていくような感覚で自分の好きな写真や動画を一覧できる高いデザイン性を特徴とする写真共有SNS。2009年にサービスを開始し、2011年8月にTIME誌の「2011年のベストウェブサイト50」に選出された。
以後、さまざまなメディアに取り上げられ、今年1月には米国で訪問者数1600万人を突破するなど、ここ数カ月で訪問者数が急増した。女性訪問者の割合が74%と非常に高いことも特徴で、女性の訪問者のうち62%が25~49歳で構成されている。
訪問者数が急増した理由について、ネットレイティングスのシニアアナリスト今田智仁氏は「デザインがよく、クリック数が少なく手軽に写真を見ることができる点、“読む”よりも“見せる”ことで直感的にイメージが湧く点が女性に受けている」と分析している。
欧米でのFacebookの利用回数や滞在時間の減少が指摘され始めているなかで、デザイン性が高く、シンプルで手軽につながることができるサイトが登場したことが人々の関心を集めたことも理由という。インフラと化したFacebookの“次に流行るSNS”を探しているメディアが注目し、それを見た人が利用し始め、メディアが取り上げるといった相乗効果がみられたこと、FacebookやTwitterとの連携が簡単にできること、などもあるという。
日本でのPinterestの訪問者数は2月時点では数万人規模と少ないが、Twitterやブログ、掲示板など、ソーシャルメディア上では書き込み数が増加する動きもみられる。1月下旬から各社メディアに取り上げられたことで、書き込み数が週あたり2500件を超え急上昇し、その後落ちついているものの、依然として週あたり1000件近くの書き込みがあるという。
今田氏は日本でのPinterestの流行について、「ソーシャルメディア上でじわじわ語られているが、書き込み数は流行しているとは言えない量だ。内容的にも、Pinterestを利用したという書き込みは少なく、米国での流行についてやニュース記事のリツイートが中心。ユーザーインターフェースが日本語対応していないことなどからも、今後数カ月で米国のような伸びを見せるということは考えにくい」としている。
一方で「TwitterやFacebookなど米国から数年遅れで米国生まれのサービスが流行するケースも多く、ユーザーインターフェースの日本語対応、より多くのメディアへの露出、日本でのFacebook定着との相乗効果などの条件が揃えば、日本でも急速に受け入れられる可能性は高い」としている。
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