企業が考える新しい働き方--「ライブオフィス」から始まったコクヨの取組み - (page 2)

社外の人とつながり、よりクリエイティブな刺激を

 コクヨでは、このような取り組みを踏まえ、2008年に東京・品川に環境配慮型実験オフィス「エコライブオフィス品川」をオープンしている。

  • 2008年からオープンしているエコライブオフィス品川

 エコライブオフィス品川は、エコとクリエイティブに関する実験的なオフィススペースだ。エコを、単に節電や省エネなどのような「強要し耐える」だけのものにするのではなく、いかにそこから「新しくクリエイティブなものを生み出すか」をテーマにしている。また社員が利用するだけでなく、社外の多様な人が集まり、ディスカッションやイベントを行えるスペースも提供している。

「コワーキングスペースにも言えるが、ただ場所があるだけでは意味はない。ハードももちろんだが、ソフトの面を大事にしたいと考え、さまざまな仕掛けをしていきたいと考えた。エコライブオフィス品川では、エコとクリエイティブを合わせたエコ+クリCafeという対話型のコミュニティを運営し、月1回程度のイベントを開催している」(万木氏)

  • 分散クリエイティブワークプロジェクトの様子

 企業間での共同実験にも積極的だ。2011年7月末から9月末までの2カ月間、富士ゼロックス、NEC、そして経堂にあるコワーキングスペース「PAX Coworking」と連携。賛同企業や民間の有志が、互いのスペースを自由に行き来して業務を行う「分散クリエイティブワークプロジェクト」を実施している。

 「企業のスペースの一部をコワーキングスペースとして利用して、有志が作業やコミュニケーションを行った。単なる異業種交流ではなく、それぞれの業務についても意見交換した。コワーキングというカルチャーは、体験してみないと理解しづらいが、参加者の多くは満足したという回答を得た」(万木氏)。今後もより多くの企業や団体の賛同を得て実験を続けたいという。「ワークスタイルの研究と同時に、社会環境の変化に対して(オフィスが)どうあるべきか。よりクリエイティブな発想のもとに変化を生み出していかないといけないと考えている」(万木氏)。

 個人だけでなく企業も多様な働き方について考える時代とも言える。個人の意識、企業の意識、そしてそれを支えるオフィスのあり方――同社は自らをショールームとしてその答えを提案していっている。

次回に続く)

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