バルセロナ発--Facebookは、モバイルネイティブアプリケーションに代わってモバイルウェブアプリケーションの開発を増やしたいと真剣に考えている。しかし同社は、ブラウザがそれに対応できていないという結論に至った。
Facebookの最高技術責任者(CTO)を務めるBret Taylor氏は、ウェブアプリケーションのおかげで、Facebookでは稼働の対象にしたい携帯端末が自然に増えているが、ウェブ規格のサポートにまったく一貫性がないことが開発者を悩ませている、とスペインのバルセロナで開催のMobile World Congressで述べた。そこでFacebookは、この問題を解決しようと考えている。「われわれはモバイルウェブ規格に取り組んでいる」とTaylor氏は述べた。
この取り組みは2つの戦略で構成される。まず、Facebookは広範囲にわたる企業およびWorld Wide Web Consortium(W3C)と連携して、モバイルアプリケーションに適した一連のウェブ規格の標準化に取り組んでいる。2つめに同社は、「Ringmark」と呼ばれる、対応するモバイルウェブ規格テストスイートを作成している。
Facebookには、モバイルウェブに関する不満がもう1つあるとTaylor氏は述べた。つまり、決済である。
Facebookは、「大多数の顧客に対するSMS認証をなくすという、通信事業者からの請求に関するユーザーおよび開発者のエクスペリエンス改善を目的とした通信事業者との提携」に取り組んでいるとTaylor氏は述べた。ソフトウェア開発者向けキットを使用することによって、プログラマーに「グローバルなリーチ」が与えられ、「認証は、購入を確認するための単一のステップという本来あるべき姿になる」という。
http://rng.io/で提供されているRingmarkテストでは、同心円の円環を緑色にすることによって、サポート状態をグラフィカルに表示する。最も内側の円環は基本的な機能を表し、外側の円環はより複雑な機能を表す。
FacebookのMatt Kelly氏は米国時間2月27日付けのRingmarkに関するブログ投稿で、「われわれは近い将来、これらのテストをオープンソース化し、W3Cに寄贈する予定である」と発表した。同氏は次のように付け加えている。
円環は、簡単なソフトウェアバージョニングであると考えてよい。Ring Zeroは、ほとんどの携帯電話に現在搭載されている基本的な機能を表す。Ring Oneは、開発者らが構築したいと考える最も一般的なアプリケーションをアンロックするために必要な機能を表す。具体的には、2Dゲーム、音楽および動画アプリケーション、カメラアプリケーションである。
続くそれぞれの円環は、開発者の必要性に基づく、次世代のモバイルウェブアプリケーションをアンロックするための各機能層を表す。例えばRing Twoには、WebRTCやWebGLといった今後提供される技術が含まれることになるだろうとわれわれは考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」