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「円高は一企業の努力でカバーできない」エルピーダ社長の会見

別井貴志 (編集部)2012年02月27日 23時36分
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 半導体製造のエルピーダメモリが、2月27日に東京地裁に会社更生法の適用を申請した。負債総額は4480億円で製造業としては過去最大の規模だ。

 今回申請した会社更生法はDIP(Debtor In Possession)型会社更生で、破綻企業の経営陣が退陣せずに更生計画などに関与する会社更生手続き(DIP型会社更生手続き適用の第1号は2009年1月に会社更生法を申請したクリード)。更正法の適用を申請したエルピーダは同日記者会見を開催し、代表取締役社長 兼 CEOの坂本幸雄氏は「関係者の皆様、これまで多大なるご支援いただいたにも関わらずこのような結果になり、多大なるご迷惑、ご心配をおかけして心よりお詫び申し上げます」と陳謝した。会見のやりとりでは、メディアに対する不満をぶつける場面もあった。

会社更生法の適用を申請するまでの経緯

 まずは、坂本氏が以下の通り経緯を説明した。

 弊社は1999年12月にNEC日立メモリ株式会社として設立され、2004年11月東京証券取引所第1部に株式上場しました。その後順調に業績を伸ばし、2007年3月期の連結決算では営業利益684億円、純利益529億円を計上しました。しかし、2007年ごろからDRAM価格が下落し始め、加えて2008年にはリーマンショックに起因する世界的な経済環境の悪化による製品需要の大幅な減少を受けて、DRAM価格がさらに下落、2009年3月期には1788億円もの純損失を計上しました。

 このような中、弊社は2009年6月に世界トップクラスのDRAM開発設計技術を有することができたため、改正産業活力再生特別措置法(産活法)に基づいて提出した事業再構築計画の認定(適用第1号)を受け、以降経営再建努力をしてきました。しかしながら、価格競争によりDRAM価格は1年前に比べて約3分の1になり、対米ドルの歴史的な円高が続いていること、タイの大洪水によるDRAMの需要が低迷したことなど、弊社を取り巻く経営環境は産活法の適用を受けた当時と比べ大幅に悪化しました。

 弊社はこのような環境の激変を踏まえ、経営の改善を図るため、価格競争力の強い製品への集中、コスト低減、米ドル建ての取り引き拡大による為替リスク低減、事業提携を通じた債務の改善などの対策を推進し、検討したものの、2012年第3四半期には421億円の純損失を計上するほど、次第に弊社の経営の厳しさは増していきました。結果、弊社は今後の債務の支払いが困難になる状況の中、会社更生法に基づく裁判所の管理下のもと事業再建を図ることが、債務者の皆様をはじめとした関係者にとって、最良であるという結論にいたり、やむなく本日東京地方裁判所に対し会社更生法の適用を申請したのです。

 次に今後の見通しですが、弊社は会社更生法下でも従来どおり事業を行い、DRAM事業の専門性や今後のスポンサー選定の重要性を踏まえ、迅速なる事業再建をするべく裁判所および裁判所から選任された監督委員や弁護士の監督のもと、債権者のみなさまの理解を得ながら現経営陣を中心として行っていきたいと思います。

 また、子会社の秋田エルピーダ(100%出資の後工程生産子会社、負債総額79億円)も本日東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請しましたが、同社と弊社、台湾子会社Rexchip Electronics(瑞晶電子)、関連会社の企業は密接に関連しております。このため弊社はこれまでと同様に関連会社と連携しながら事業再建を進めていきます。今後、債権のためスポンサーを選定していくことも視野に入れておりますが、スポンサー選定については裁判所や弁護士の監督の下進めていく所存です。

 最後に弊社の従業員、役員は一丸となって会社再建に奔走してまいる所存です。債権者の皆様をはじめとする関係者には多大なご迷惑をおかけし、大変申し訳なく思っていますが、弊社の現状をどうか理解していただき、会社更生手続きへのご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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