モルフォは、より人の視覚に近いHDR画像を作成できるハイダイナミックレンジ合成技術「Morpho Full HDR」を製品化、また半自動で画像にメタデータを付加する画像アノテーション技術「Semi-automatic image annotation」を開発したと発表した。
これらの技術は、2月27日からスペインのバルセロナで開催されている「Mobile World Congress 2012」(MWC 2012)の会期にあわせ、会場近くのホテルで展示される。
ハイダイナミックレンジ(HDR)合成技術とは、通常より幅広いダイナミックレンジを表現するための画像合成技術のこと。モルフォの製品も含め、従来のHDR合成技術では、出力画像を約1600万色で表現しているが、Morpho Full HDRは露光の違う複数枚の画像を合成することで約1000億色で表現することが可能。これによりセンサーの表現力と人の視覚が認識できる色彩のギャップを限りなく減らすことができるという。
また、モルフォ独自の位置合わせ技術により複数枚撮影した画像を正確に重ね合わせることができるほか、ゴースト除去技術により、撮影中に動いた被写体の部分も輪郭が明瞭なブレのない画像に仕上げることができるという。
「デジタルカメラと比べてどうしてもスマートフォンではダイナミックレンジが低いので、そのようなものでも本来のHDRを撮影するための技術。そこにモルフォの強みである手ぶれ補正技術などを持ち合わせている」(モルフォ事業本部 事業部第一グループ 担当マネージャの千葉紀之氏)
Morpho Full HDRは、MWC 2012でドルビーブースにて共同展示される。名称は未定だが「JPEG-HDRを基にしたドルビーの新画像技術」と組み合わせて使用することで、より視覚に近いHDR画像を撮影したり保存したりすることができるようになるとのこと。また、同技術はテキサス・インスツルメンツ(TI)のマルチメディアアプリ向けマイクロプロセッサ「OMAP」に対応しており、今後はスマートフォンなどへの搭載を目指していくとしている。
半自動画像アノテーション技術は、画像に任意のタグを付加することができる技術。ユーザーは画像から自動で提示された複数のタグ候補の中から選択もしくは新規タグを登録することで、簡単に画像の整理や検索を行えるようになる。
「Flickrなどのフォトストレージでは、手動で画像にタグ付けしなければならず、少しでもこの煩わしい作業を自動化したかった」とモルフォ開発推進室 技術開発グループ エンジニアの和田政弘氏は開発背景を語る。
繰り返し利用することで登録情報を学習し精度を高めていくため、「個々のユーザーの趣向に適したタグ候補を提示できるようになる」(和田氏)という。同技術はスマートフォンやタブレットといった携帯デバイス、また画像ストレージサービスなどでの利用を想定している。
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