Kadittは2月15日、お気に入りのスポット(場所)情報を共有できるサービス「Freco」の提供を開始した。App StoreにてiPhoneアプリを無料でダウンロードできる。
Frecoは、ユーザーがお気に入りの建物や店舗を写真や位置情報とともに「カード」として保存、共有できるサービス。すべてのユーザーは「ブック」と呼ぶマイページにカードを保持しており、友人や好みの合う人が投稿したカードをユーザー自身の行きたいスポットとして保存できる。
Frecoの最大の特徴は、好みの似ているユーザーをつなげた「トラストグラフ」を作ることで、友人だけでは知ることのできない新しいスポットを発見できることだ。
Frecoでカードを作る(チェックインする)際、ユーザーはそのスポットに対する感情を「CUTE」「COOL」「TASTY」「NICE」という4つから選択することになる。すべてのカードにはこの4つの感情のうちの1つが付与されるため、たとえばユーザーがCUTEだと思うスポットを集めている友人に加え、その友人がCUTEだと思うスポットを集めている友人(ユーザーから見れば友人の友人)まで、CUTEに関する好みの似たトラストグラフを作ることができる。これをもとにして、ユーザーごとに好みの合う人を判断し、「好みの合う友人や、その友人と好みの合う友人が気に入っているスポット」のフィードを閲覧できる。
そのため、Freco自身ではFacebookやTwitter、mixiの友人のインポート機能は用意するものの、サービス上で独自にフレンド申請し、ソーシャルグラフを作ることはしないのだという。「新しい人と出会うサービスでなく、既存の関係からいろいろな方向のスポットを発見していくサービス」(Kaditt代表取締役社長の門内直樹氏)
Frecoがターゲットとするのは、F1層と言われる若年層の女性だ。ユーザーインターフェースにも「テクノロジーに詳しい人だけが使うのではない。まず使ってもらえるのかを考え、触っていて気持ちいいと思えるよう設計した」(門内氏)と語る。たとえばユーザーのブックのデザインをポップなものにしたり、ほかのユーザーのカードを自分のブックに加える際、興味の度合いによって、「行ってみたい」のボタンを最大で7回まで連打できるようにし、タップの度に音符が飛び出るアニメーションを加えた。
この連打によってユーザーにはポイントが加算されるが、このポイントについては、将来的に交換の仕組みも考えているという。ただし、「ポイントを競い合うだけではスタンダードなサービスからは離れる。詳細は検討中」(門内氏)とのこと。
Kadittは2011年8月の設立。サイバーエージェント・ベンチャーズが主催するビジネスプランコンテスト「Startups2011-spring-」の支援企業となる。もともと起業志向があったという門内氏は、学生時代から企業に企画を持ち込むなどしてITビジネスに携わっていたが、卒業後にプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)に入社。マーケティングの経験を積んで企業に至った。起業を考えた頃にスポットを使った新サービスを企画しており、プレゼンする機会があったが、そこで参加者らから“ダメ出し”を受けて一念発起。Frecoの開発に至ったという。
今春にはAndroid版アプリの提供も予定する。またサービス開始に合わせて、慶應義塾大学や早稲田大学、青山学院大学、立教大学の女子大生のFrecoユーザーの行きたい場所を発見できる「女子大生の私生活コレクション」を公開している。
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