緩くつながり合ったハッカーの集団であるAnonymousは米国時間2月10日、分散型サービス拒否攻撃(DDoS攻撃。Anonymousが得意とする手法の1つ。比較的単純な攻撃手法で、データリクエストを大量に送信することでウェブサーバをダウンさせる)と思われる手法で、米中央情報局(CIA)のウェブサイトをダウンさせたと主張した。Anonymousは2週間前、米連邦捜査局(FBI)に対する攻撃も成功させている。
Anonymousは、アラバマ州の警察および政府のサーバから盗み出したと主張する情報も公開した。また、ブログRTの記事によると、同グループはメキシコの上院と内務省のウェブサイトもダウンさせたという。さらに、同グループは、メキシコ鉱業会議所(Camimex)から入手した電子メールアドレスも暴露したと述べている。
10日夜にCNNが接触したCIA関係者は、「われわれのウェブサイトにアクセス障害が発生していることは認識しており、現在、その解決に努めている」と話すにとどめた。CIAのサイトは11日に復旧した。
Anonymousは10日にPastebinに投稿した文書の中で、アラバマ州市民に語りかけ、「あなたたちの警察がデータセキュリティに関して怠慢なので」、同グループのハッカーたちは4万6000人のアラバマ州住民について、名前とソーシャルセキュリティ番号、誕生日、犯罪歴、ナンバープレート番号などの情報を盗み出すことに成功した、と述べた。
Anonymousによると、この活動はアラバマ州の下院法案56に抗議して行われたものだという。下院法案56は、同州で2011年に法律として成立した賛否両論の移民法である。しかし、Pastebinの投稿に関与した個人たちは、Anonymousによる過去の個人情報漏洩が同グループの評判と主義に常に寄与してきたわけではないことを認識しているようだ。
文書には、500人の情報が編集された状態で掲載されており、盗まれたデータのすべては最終的に削除されたと書かれている。
一方、メキシコに関連する攻撃は、第一にCamimexに存在すると言われる搾取的な労働環境およびビジネス慣行に対する返答として実行された。第二の理由は、RTによると、一部の人がメキシコ版のStop Online Piracy Act(SOPA)と呼ぶ法案だという。SOPAは非難を呼び起こした著作権侵害防止法案で、先頃、米国で盛んに報じられた。RTの報道によると、メキシコの法案はオンラインで著作権を侵害した者に対し、最大で100万ペソ(10万ドル以上に相当)の罰金を認めるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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