意思決定に悩むリーダーに役立つ3つのアプローチ

John McKee (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2012年01月31日 07時30分

 昨今の経済情勢は、予算や人員、将来計画を左右する数多くの意思決定に影響を与えている。こういった状況において、ITリーダーは今までに用いてきたスタイルを見直すべきであると筆者は考えている。

 現実を見据えてほしい。2012年はまだ始まったばかりであるが、新たな「当たり前」がどのようなものになるのかも分からない状況となっている。

 今から3カ月後の状況を予想することも、かつてないほど困難になっている--3年後の予想に至っては言うまでもない。とは言うものの、IT業界のリーダーであれば、数年後の自社の隆盛に関わる意思決定を今ここで行わなければならないという状況にしばしば遭遇するだろう。

 企業のITリーダーたちにとって、今ほど意思決定の難しい時期は過去になかったはずだ。信用枠の縮小や景気の後退といった、リーダーの力だけではどうすることもできない環境の変化によって短期的な施策が激しく揺さぶられているのだ。また長期的な計画も、より差し迫っていると思われる他の問題を懸念する企業幹部によって棚上げされることがしばしばある。そして、こういった企業幹部に対して意思決定を迫ると、「では、どうすればよいのか?」とITリーダーに質問を返してくることさえある。

 筆者は多くのITリーダーから、自信を持って必要な意思決定を行えるだけの経験を積めていないという相談をよく受ける。また、自社のために正しいと信じていることを推し進めようと全力を傾けている時ですら、難題に直面することが多いという相談も受ける。

 昨今の経済情勢を鑑みた場合、長期的な施策に関する意思決定を行うというのは、誰にとっても大変なことである。しかも、資金と人的資源の双方が必要となるIT分野においては至難の業だと言えよう。最も優れた解決策は、IT部門の責任者と他部門の責任者が一堂に会し、各部門の要望を総合的に検討したうえで、自社の長期的な発展に最も寄与できる意思決定を行うことだ。しかし残念なことに、こういった解決策が採られることはそれほど頻繁ではないというのが現実である。

 また、他部門の責任者が意思決定に参加したとしても、彼ら自身が会社全体を見渡す視点に立てないかもしれない。IT部門の責任者は自らの行う意思決定が組織全体に影響を及ぼすということを熟知しているものの、他部門の責任者らは自部門のニーズを中心に据えようとしがちなのだ。では、どうすればよいのだろうか?

 筆者は、卓越したリーダーたちが以下に挙げる3つの戦術を実践していることに気付いた。こういった戦術のなかには、厳しい経済情勢におけるあなたの行動指針となり得るものも含まれているはずだ。

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