現在、地球が2003年以降で最も強い太陽放射線にさらされている。この現象により、通信の断絶や、空の旅の混乱が散発的に生じる可能性がある。
米国立気象局の宇宙天気予報センターは米国時間1月24日午前、太陽嵐が地球の両極地方の上層大気に到達したことを示すマップを公表した。
コロラド州ボルダーに本部を置く同センターによると、「両極地方に見える赤い部分には高エネルギー粒子が侵入しており、航空機や宇宙機はこの地域を回避すべきだ」という。
22日夜に発生した太陽フレアによって、太陽から荷電粒子が爆発的に放出され、時速500万マイルで地球に向かって進み始めた。このコロナ質量放出(CME)による高エネルギー粒子が、地球の磁場に影響を与える太陽放射線の急増を引き起こしている。
今回の太陽嵐は、S3レベル(強)に分類されている。これは、高周波通信に影響を与え、宇宙機での電子的エラーを発生させる可能性があるレベルだ。宇宙天気予報センターによれば、「高高度を飛行する航空機の乗客も、放射線リスクが通常より高くなる」という。同センターは、北極を越えて飛行する航空機の少なくとも一部がルートを変更したほか、通常は高高度を飛行している便は普段よりも低高度を飛行しているとの報告を受けたとしている。
米海洋大気庁(NOAA)およびコロラド大学環境科学研究所によると、この太陽嵐は米国東部標準時間24日午前にピークを迎え、その後、数時間から数日かけて徐々に収束することが予想されるという。
宇宙天気予報センターは24日午前、CMEで放出された高エネルギー陽子の測定に基づいて、今回の現象が先に言われていた2005年1月の太陽嵐ではなく、2003年10月に発生した太陽嵐(「Halloween Storms」と呼ばれている)以来最大の太陽嵐であると述べた。
予報では、G2レベル(中程度)の磁気嵐が発生するとされており、G3レベル(強)となる可能性もある。G2レベルでは、宇宙機の姿勢の修正が必要になるほか、その通信にも影響が及ぶ。高高度地域の送電網システムには、電圧異常の問題が発生する可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス