ユーツープラスは1月5日、うつ病回復支援に向けたプログラムを提供する「U2plus」の正式サービスを開始した。
U2plusは、認知行動療法と呼ぶ対話型の心理療法をベースに、ウェブ上でうつ病の回復を支援するサービス。うつ傾向のある人から、中程度のうつ病でカウンセリングなどを受けている人までをサービスの対象にしている。医療行為のサポートツールであり、症状の程度にあわせて治療を受けている医師などに相談した上で利用することを推奨している。
サイト上では、ユーザーができたことや楽しめた体験を投稿したり、ほかのユーザーの投稿をタイムライン形式で閲覧したりできる。そして、「いいね!」「やりたい!」「すごい!」」「気になる!」といったリアクションをワンボタンで付与できる「FanCan」、うつになる体験を書き出すことで、ユーザー自身のうつのサイクルを認識する「U2サイクル」、ユーザーが自身のつらかった体験やその体験に対する考え方を書き出し、物事を柔軟に受け止めるよう訓練する「コラム」の3つのプログラムを提供する。
ユーツープラスでは現在、臨床心理士や精神科医、産業カウンセラーなど約30人をセラピストとしてネットワーク化している。セラピストはユーザーの投稿したコラムに対してアドバイスをする。コラムごとのセラピストのコミット数などは定めていないが、1つのコラムにつき3件程度のアドバイスがつく体制を整えていくという。
ユーツープラスは2011年5月の設立。スカイライトコンサルティングが主催するビジネスプランコンテスト「起業チャレンジ2011」で最優秀賞を受賞し、その賞金300万円をもとに起業した。
代表取締役の東藤泰宏氏は、モバイルサイトのディレクターだった約3年前にうつ病になり、当時勤めていた退職した経験がある。
その後、周囲でもうつに悩む人が多いという声を聞き、「自分が患者の立場に立ち、治療のサポートとして欲しかったサービスを事業化しよう」とコンテストへの応募を決意。認知行動療法の専門家である千葉大学社会精神保健教育研究センター・特任講師の小堀修氏の監修の下、サービスを作りあげた。「2011年5月にクローズドなアルファ版を提供して以降、私自身も1ユーザーとしてサービスを利用している」(東藤氏)
コンテンツの閲覧や投稿へのリアクションができる月額無料の「フリープラン」のほか、フリープランの内容に加えて、3つのプログラムを利用できる月額470円の「ライトプラン」や、ライトプランの内容に加えて、セラピストからのアドバイスを月2回まで求められる月額970円の「スタンダードプラン」を用意する。
今後はユーザーの動向を見つつ、機能追加やサービス改善を進める。「(サービスを)NPOでやればどうかという声もあったが、何万人、何十万人が提供するサービスに育てたいと思っている。そのためには収益を上げ、それをもとに投資するというサイクルが必要。将来的には病院や企業など法人向けのサービスなども検討していく」(東藤氏)
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