ジェネシックスが提供するFacebookの友人にボイスメッセージを送れる声のSNS「Jumvo」は、2011年内にはバージョン2.0のリリースを控えている。Jumvoのアプリ開発には、プロデューサーやエンジニア、デザイナーの3名が携わっている。ユーザーから評価を受けている点は、「電話をするまでもない」「メールを打つまでもない」という時に適したコミュニケーションツールということで、特に若い女性ユーザーが多いという。
大きく改良されたバージョン2.0では「よせ書き的な使い方」と「録音したボイスメッセージの確認や再録音する」ができるようになる。Facebookとの連動を意識して開発されたよせ書き的な使い方はイベント機能と連動していおり、利用シーンは多岐にありそうだが、たとえば利用シーンを“友人Aの誕生日”を想定して手順をみよう。
Jumvoは、2011年8月に初めて公開されてから4カ月が経ち、総数は約1万2000ダウンロードだという。ダウンロード数的にはややものたりない感がある。Facebookがライフログとして存在感を増す中、コミュニケーションツールのアプリとして写真や動画と並ぶまでに、「ボイスメッセージ」が認知されれば、マネタイズも見えてくるだろう。たとえば、アニメなどのキャラクターの声が聞けるといったキャンペーンの展開などは考えられる。収益化するための利用規模の拡大には、バージョン2.0の「あたらしいテーマ」がどこまで貢献するかが鍵を握りそうだが、まずは5万ダウンロード以上に伸びるかどうかが節目といえる。
この一方で、ジェネシックスは2010年9月にリリースしたiPhoneアプリ「ガチャツイ」も展開している。フジテレビKIDSとジェネシックスが、人気キャラクター「ガチャピン」をデザインテーマにしたTwitterアプリだ。App Storeでは350円の買い切りで販売開始されたが、1年後の2011年11月に無料でダウンロードできるようになった。
人気キャラクターの固定ファン層からのバイラル効果を期待したが、思った以上にダウンロード数が伸びなかった。「ガチャピン」や「ムック」、「コニーちゃん」などの人気キャラクターの壁紙カレンダーアプリは2011年に続き、2012年も発売されている。Twitterデザインとして「ガチャピン」を求めていなかったというだけなのか――実はそうではないらしい。
2011年12月末日まででアプリの動作保証を終了すると発表し、2011年11月から無料ダウンロードできるようになった途端に、「かわいい!」「使いやすい!」といった好意的なつぶやきの反応が出始まった。デザインなどよりも、無料で多くのユーザーにダウンロードして使ってもらう環境づくりが必要だったといえよう。
アプリをリリースする際に、その種類や性格にもよるが、ある一定のユーザー数に届いてから、収益化するために広告か課金かを考えるというステップはもちろん重要だ。人気キャラクターを使っているという利点の上で、ガチャツイでいえば“ユーザーの接触時間が長い”という特色を活かすべきだったのだろうが、このままフェードアウトしていきそうだ。
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