グリーは12月6日、国内で展開するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「GREE」のプラットフォームに、4月に買収したゲームプラットフォーム「OpenFeint」を統合し、2012年4~6月中に「GREE Platform」として世界展開すると発表した。主に海外を中心としたOpenFeintのユーザーを取り込むことで、GREE Platformは国内外1億5000万ユーザーを抱える世界最大級のゲームプラットフォームとなる。
同日開催された会見で、グリー代表取締役社長の田中良和氏は、モバイルの成長に伴ってGREEの会員が増加してきたことを説明。加えて、現在11億台とも言われるスマートフォンの台数が、2015年には47億台まで拡大するという調査結果を紹介し、「2015年までにここから5倍になる。かなり大きな変化が訪れると思っている。我々としては次の1年で3億ユーザーくらいまで持ってこようと考えている。スマートフォンでグローバルにやっていく」と語った。
同社のスマートフォンでの売り上げは急激に成長しており、単独タイトルで月間約20億コイン(コインはGREE上の仮想通貨。約20億円相当)の売り上げを達成するゲームも登場しているという。
また田中氏はGREEについて、FacebookやZyngaと比較し、「SNSとプラットフォーム、ゲームを統合しながら事業を行っているのは世界でもユニークなビジネスモデル。我々しかできない」「独自のキラータイトルがあるので、プラットフォームとゲームを連携した大規模なマーケティングができる。(日本での展開を)世界で再現できるのは我々だけ」と語る。今後は海外でも、積極的なマーケティングを行っていく予定だという。
グリーでは今後、世界1億5000万ユーザーに配信できるプラットフォームを持つという点、APIやSDKを統一して同一仕様で世界に配信できることで、コストを下げられるという点、日本のソーシャルゲームで培ったアクティビティや高ARPUに対するノウハウの共有、世界でも高いレベルのARPUをもったユーザーを抱えるという4つの強みを生かしてビジネスを展開する。
2012年よりサポート言語についても日本語と英語をはじめ、14カ国語までに拡大。開発者向けのサポートも日本語、英語、中国語の3カ国語体制とする。また、パートナー企業向けのローカライゼーションやホスティング、デバッグといったサービス、サポートなどもグローバルで展開する。アドネットワークについてもGREE Platform上で展開できるようになる予定。
これまでGREEおよびOpenFeintで提供されてきた7500タイトルも新プラットフォーム上で利用できる。また新プラットフォームではカプコン、コーエーテクモゲームス、コナミデジタルエンタテインメント、スクウェア・エニックス・ホールディングス、セガ、タイトー、バンダイナムコゲームスらがゲームの提供を発表しているほか、今後海外のゲーム開発会社らも含めて新タイトルを発表していくという。
内製のゲームについても、順次新プラットフォーム向けに移植。新規タイトルも追加で投入する。現時点で発表されている各社のタイトルおよび提供予定時期は以下の通り。今後アプリの情報は特設サイトで随時公開していく。
国内の大手ゲーム開発者が新プラットフォームに参入したことについて、田中氏は個人的な思いを込めながら「小学校1、2年生でファミコンが発売されドラクエの発売で学校を休むこともあったが、日本のゲームはすばらしい。しかし親やメディアには『ゲームばかりするのはいけない』と言われてきた。だがゲームはすばらしい産業であり、エンタテインメント」と語る。
新プラットフォームを通じた世界進出での売り上げ目標などは明らかにしていない。ただ、ユーザー数については「今後3年から5年程度で10億人を目指す」という目標を語る。「Facebookが7億~8億人、Twitterが3億~4億人と言われているが、10億ユーザーはそう遠くない。5年後には10億人いるインターネットサービスはいくつもあると思っている。我々の目標はその1つとなること」「成功できて当たり前。問われるのは『どれくらい成功するか』だ」(田中氏)
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