携帯電話ネットワークの分析ツールを提供し、スマートフォン向けスパイウェア疑惑の渦中にあるCarrier IQが、AllThingsDの取材に応じている。Carrier IQのマーケティング部門担当バイスプレジデントであるAndrew Coward氏は、AllThingsDに対して次のように説明した。「このソフトウェアはOSから大量の情報を取得するが、だからといって、ユーザー情報の収集に利用されているとか、通信事業者に情報を提供しているとかいうことではない」。このセリフは裁判官に言うべきだろう。集団訴訟がすでに始まっているのだから。
しかも、ホワイトハットハッカーであるTrevor Eckhart氏の動画によって、Carrier IQのルートキットが驚くべき量の個人情報を取得していることはすでに分かっている。だが、Coward氏は、「(Eckhart氏の動画)は、すべての情報が処理されたり保存されたり、あるいは端末から転送されたりすることを示しているわけではない」と釈明している。
Carrier IQは、「SMS(ショートメッセージサービス)のメッセージを読み取ってはいない。メッセージの受信を認識し、メッセージに含まれた電話番号を識別するが、そうしたメッセージの内容について、保存や分析、処理は行っていない」と断言している。そうであるなら、そもそもなぜメッセージの内容を収集しているのだろうか?
Carrier IQ社は、こうした疑問に対して「説明」を用意している。通信事業者の責任だというのだ。同社は、最近訂正された声明の中で次のように説明している。「Carrier IQは、通信事業者のエージェントとして行動している。実装のしかたは事業者によって異なり、実際にどのような診断情報を収集するかは、顧客である携帯電話事業者が決定する。当社がそれ以外のデータを端末から収集することはない」
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