資金繰りに困っている新興企業にとって、最も優秀な従業員を引きつけることは時として困難である。したがって多くの場合、そうした企業は従業員が市場標準より安いと感じているかもしれない給与を補うために、会社株式を提供する。
Zyngaもその戦略を採用した。しかし最新の報道によると、「CityVille」や「FarmVille」の開発元である同社はそれを後悔しているようだという。
The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間11月10日に複数の業界情報筋の話として報じたところによると、Zyngaの最高経営責任者(CEO)であるMark Pincusと最高幹部陣は、2010年に新規株式公開(IPO)の準備を進めていた際、従業員にあまりにも多くの株式を提供してしまったと判断したという。しかし報道によると、最高幹部陣はその現実を受け入れるのではなく、別の戦術を試みたという。それは、従業員に対して権利未確定株式の返却を要求し、それに応じない者は解雇するという戦術だ。
Pincus氏と最高幹部陣はどの従業員に株式返却を求めるかを決めるため、(彼らの目から見て)Zyngaが上場した場合に発生するかもしれない多額の現金報酬を必ずしも受け取るに価しない貢献度の従業員を特定しようとした、とWSJは報じている。WSJの情報筋の1人によると、Zyngaの幹部陣は特に「Googleシェフ」と呼ばれるシナリオを作り出してしまうことを懸念しているという。
Googleシェフとは、Googleが2004年にIPOを実施したとき、同社の初期に雇われたシェフの1人が株式上場後に2000万ドル相当の株式を手にして退社した出来事を指している。
WSJの情報筋によると、Pincus氏は標的にする従業員を特定した後、最後通告を発したという。だが予想どおり、同氏は自分が株式返却を求められる理由はないと考える従業員から反発を受けた。WSJは、弁護士を雇った2人の従業員(1人はZyngaを去り、もう1人は今でも同社に勤務している)の話を引用した。その2人は、権利未確定株式のすべてではなく一部を返却するという条件でZyngaと和解したという。
Zyngaの決定は一部から批判されるかもしれないが、報道によると、幹部陣はそれが同社にとって最善のことだと述べ、自らの戦略を正当化したという。権利未確定株式により、幹部陣は、株式の提供を約束することで、もっと多くの優秀な人材に関心を持ってもらえると考えたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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