グローバルICTへの転換点を探る--主要IT系メディアの代表が討論(後編)

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 企業のグローバル化におけるIT活用はどうあるべきなのかを、主要IT系メディアの代表4人が討論する。前編ではグローバル化の質的変化とIT部門が抱える課題が論じられた。後編では、IT部門が具体的に何をすべきかを論じていく。


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左から着席順に
朝日インタラクティブ CNET Japan編集長/別井 貴志
アスキー・メディアワークス TECH.ASCII.jp編集長/大谷 イビサ氏
ITR シニア・アナリスト/舘野 真人氏
アイティメディア ITインダストリー事業部
エグゼクティブプロデューサー/浅井 英二氏
日経BP コンピュータ・ネットワーク局ネット事業プロデューサー兼 日経コンピュータ編集プロデューサー/星野 友彦氏

日本発のルールだけではグローバル化対応は無理

 前編のスタートでモデレーターのITR シニア・アナリスト舘野真人氏は、東日本大震災とグローバル化という2つのキーワードを提示して、企業のグローバル化にとってICTが果たす役割を具体的に議論を進める方法を採った。

 そこから各出席者から出てきた論点は、「今回の震災のように広域で被害が発生した場合問題となるサプライチェーンの寸断をICTの側面からどう対応するか」「BCPの観点から、止めないのではなく、早くシステムを復旧させるためにはICTをどう運用すればいいのか」「データやシステムの復旧に必要なICT全般の標準化についてどう対応すべきか」「大きな災害が起こったとき、スタッフが在宅で仕事ができる環境を用意しておく必要があるのだが、日本でこうした施策をスムーズに企業に導入していくにはどうすればいいのか」など具体的かつ多様なものになった。

 こうした論点については、さまざまな意見が出された。詳細については前編の記事をご覧になっていただくとして、各出席者の一致した意見としては、これからさらに進展していく日本企業のグローバル化は、確実に「生産拠点を海外に求めていく」から「新興国を中心とした新しい市場で確固たる地位を獲得する」ものへとレベルが高くなってきているということだった。そしてこのハードルを乗り越えていく力がつくということは、日本国内の市場の存在感が他の海外市場のそれと比較して縮小していかざるを得ない。

 「我が社の売上高に占める日本市場の割合は10%以下」などというグローバル化した企業にとって、業務プロセスやガバナンスの適用方法を日本で決めて海外に指示を出す、というのはもはや当たり前のことではなくなる。ICTも同様の変化が起こる。実際に海外市場で成果を上げている日本のグローバル企業の中には、日本以外の国や地域で標準化させたシステムを日本も含めた全世界で利用するケースも出てきている。

 いま、日本国内で仕事をしてきたIT部門のリーダーやスタッフはどう行動すべきなのか。それが後編で語られる中心的なテーマだ。

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