Canonicalは、Linuxディストリビューションの「Ubuntu」をタブレットやスマートフォンにも進出させたいと考えている。
米CNETの姉妹サイトである米ZDNetのブロガーStephen J. Vaughan-Nichols氏の記事によると、Canonicalは今週開催される「Ubuntu Developer Summit」でそのような趣旨の発表を行う予定だという。Canonicalが狙っているデスクトップ以外のプラットフォームには、こうしたモバイルデバイスのほかにスマートテレビも含まれている。
「これらのプラットフォームを利用するわれわれのコミュニティーに手を差し伸べることが重要だ」。Canonicalの創設者Mark Shuttleworth氏は、Vaughan-Nichols氏の取材に対してこのように述べている。「そこでわれわれは、スマートフォン、タブレット、スマートスクリーンでのUbuntu利用という課題に取り組んでいく」。
とはいえ、それらに対応したUbuntuがすぐにも登場するわけではない。Canonicalはまず次のデスクトップ向け「Ubuntu 12.04 LTS」を可能な限り安定させ、デスクトップインターフェースの「Unity」に磨きをかける作業を完了させたい意向だ。その後、ARMプロセッサを搭載した開発者向けのタブレットとスマートフォンが2012年の第2四半期に登場するのではないかと、Vaughan-Nichols氏は推測している。
むろん、Appleの「iOS」とGoogleの「Android」OSが強敵となるのは間違いなく、Microsoftの「Windows Phone」や開発中の「Windows 8」とはさらに激しくぶつかりあうことになるだろう。Windows 8はデスクトップインターフェースに加え、モバイル向けのユーザーインターフェース「Metro」を搭載する予定だ。それでもUbuntu は、Googleが予定しているMotorola Mobility買収の影響など、利用できるチャンスをうまく利用していくとShuttleworth氏は述べている。
「デバイスの世界は競争が激しく動きも活発だ。現在はAndroidとiOSが携帯端末を支配しているが、破壊分子が地位を確立するチャンスもある。UbuntuとWindowsもまだ真の脅威になり得る」とShuttleworth氏はVaughan-Nichols氏に語っている。
端末メーカーは「破壊分子」としてUbuntuを歓迎するだろうとShuttleworth氏は言う。「Ubuntuが力を持てば、OEMに対して大企業よりも協力的になることが可能であり、GoogleやMicrosoftに対する影響力を彼らに持たせることができる」。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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