IT部門は、膨大な情報量という課題にも直面する。多くの組織はこういったデータを意志決定に利用したり、新たな分析アプリケーションの入力としたり、パターンに基づく戦略の策定において活用する必要性に気付き始めている。・・・ビッグデータは、その量の多さゆえに従来のデータ管理テクノロジでは扱いきれない。こういった規模のデータを管理するだけでも新たな、あるいは今までとは質の異なるテクノロジを使用する必要があるのだ。
インメモリ技術を搭載したアプリケーションプラットフォームとして、メモリ上で分析やイベント処理を行うプラットフォームや、メモリ上で動作するアプリケーションサーバといったものも含まれる。・・・既存のアプリケーションをインメモリ上で動作させたり、インメモリ化するためのリファクタリングを行うことで、アプリケーションのトランザクション処理性能やスケーラビリティを向上させることができるとともに、アプリケーションのメッセージングにまつわるレイテンシを引き下げ(1マイクロ秒未満)、バッチ処理を劇的に高速化し、分析アプリケーションの応答をより高速化することも可能になる。
低消費電力サーバの採用によって、今までになかった革新的なシステムが提案、発表され、市場に展開されるようになるだろう。それらの多くは、サーバ市場に新規参入してきた企業の製品となるはずだ。そして、IT部門は再び昔の状況へと逆戻りすることになる。こういったシステムによって仮想化が不要となり、システムを共有する必要性が少なくなるというわけだ。
クラウドコンピューティングは前評判ほどの結果を残すことができないだろう。・・・クラウドというメッキが剥がれ落ちる可能性もある。
Gartnerは、2011年のトレンドとして第1位に推していたクラウドコンピューティングを今回、第10位に後退させた。しかしCearley氏は、評判倒れになるという話に加えて、クラウドコンピューティングというものが現在運用中のさまざまなIT分野に吸収されていこうとしている点についても指摘している。
またCearley氏は、この講演で挙げた「戦略的テクノロジ」に対して、IT部門のリーダーがどのように取り組んでいくべきなのかについても言及している。
戦略的テクノロジとは、向こう3年間に渡り、エンタープライズに重大なインパクトを与える可能性のあるテクノロジのことである。重大なインパクトを与える因子としては、IT部門や業務部門に対して混乱を与える可能性の高いものや、多大な投資を必要とするもの、導入の遅れによってリスクが発生するものなどがある。・・・企業はここで挙げたリストを叩き台として、業界や、部門のニーズ、テクノロジ導入モデルといったさまざまな因子に基づいて補正を行い、活用していくべきだろう。
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