ソニーは、Ericssonとの合弁会社であるSony Ericssonの株式のうち、Ericssonの保有分を買い上げる交渉を行っているという。The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間10月6日に報じた。同報道によると、株式買収には10億ドル以上のコストがかかる可能性もあり、交渉は決裂するかもしれないという。
ソニーがEricssonとの合弁を解消し、経営権を完全に取得するといううわさは、ここ数年間何度もささやかれてきた。Sony Ericssonは近年、成功を維持するのに苦労しており、製品戦略を変更する中で、四半期の売上高が減少を記録することも多かった。同社の直近の決算発表によると、Sony Ericssonの2011年第2四半期におけるAndroid携帯電話市場シェアはわずか11%だったという。デバイスの販売台数も前年同期の1100万台から、760万台まで落ち込んだ。
Sony Ericssonが低迷する一方で、ライバルのAppleとサムスンは売上高と消費者のマインドシェアを完全に支配してきた。WSJによると、株式取得により、「ソニーは同社のスマートフォン事業をタブレットとハンドヘルドゲーム機、およびPCの事業と統合して、コスト削減とモバイルデバイス開発の連携改善を目指している」という。
この株式買収のニュースが流れたのは、Sony Ericssonが10周年を祝ったわずか数日後のことだった。おそらく今は同社の携帯電話の歴史にとって、最も重要なときでもある。
Sony Ericssonは2004年~2007年の間、非常に大きな成功を収め、「K750i」や「W800i」、さまざまな「Walkman」モバイルデバイスなどの人気携帯電話によって、4年連続で純利益を計上した。しかし、世界が「iPhone」や「Android」ベースのスマートフォンへ移行し始めた2000年代の終わり頃、Sony Ericssonは急速に後れを取り始め、同社のラインアップは「Symbian OS」を搭載した旧式携帯電話ばかりになった。
そうした状況を受けて、Sony Ericssonは2010年にようやく同社初のAndroidスマートフォン「Xperia X10」を発売した。X10はいくつかの点でヒット商品となったが、アップデート対応の遅さとバッテリ寿命の短さで多くの消費者の不満を買った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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