ITプロフェッショナルとしてのキャリアを加速させる--3つの方法

Patrick Gray (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2011年10月04日 07時30分

 キャリアアップを図るうえで、自らを取り巻いている状況すべてを思い通りにするということはできないものの、目的地に向けて新たな進路を設定するか、進路を定められないまま風に翻弄されるかのいずれかを選択することはできる。そして、前者を選ぶ方が遙かに面白いはずだ。

 筆者は、TechRepublicのコメント欄に時々は目を通すようにしている。しかし残念なことに、これはずいぶんと気の滅入る作業なのである。というのも、こういったコメントにはIT業界でキャリアを積み重ねていくうえで直面する無力感や果てしなく続く実りのない苦労といった話が何度も出てくるためだ。これらのコメント、並びにITプロフェッショナルを風刺的に扱った「リストラ・マン(原題:Office Space)」といった映画や「Dilbert」などの連載漫画を目にすると、これほど自虐的で自己憐憫に満ちた職業は他にないのではないかと思えてくる。

 インターネットに流れる情報や大衆的なメディアの報道は、極端なものになりがちだということは誰もが知っているとおりだ。このことを考えた場合、IT業界の実情はさほどひどくもないのだろうが、有望だとされてきたIT業界においてこれほどの無力感が生み出されているという状況について、業界の人間は全員が懸念を抱くべきだろう。そこで、筆者からは以下のような提案をさせてもらいたい。

エントロピーを、前に向かって突き進んでいくエネルギーに変換する

 筆者はエントロピーのことを無駄なエネルギーであると定義している(高校時代にお世話になった物理の先生は異を唱えるかもしれない)。ここで言う無駄なエネルギーとは、ちゃんとした目的もなく費やされ、まったく何の成果も生まない努力のことである。自らの運命を呪うことで、その場限りのちょっとした鬱憤晴らしはできるものの、そういった行為自体はエントロピーの増大を招くだけなのである。たとえ上司がとんでもない人間であろうと、また最高経営責任者(CEO)があなたの仕事をモンゴルの果てにある会社にアウトソーシングしようと企んでいたとしても、さらには超党派の議員らがあなたの人生を悲惨なものにするための特別立法を制定しようとしていたとしても、「私って何て悲しいの」というオフィーリアばりの台詞(「ハムレット」より)を口にした後は、メモと鉛筆を用意し、運命を良い方向に変えるための方策を練るようにしてほしい。前に向かって突き進んでいくという行動は、傷口に薬を塗るようなものである。こういった行動をとることで、キャリアという藪の中を当てもなくうろついて無駄に年月を費やすのではなく、自らの置かれている状況を変革するための主導権を握れるようになる。自らを取り巻いている状況すべてを思い通りにすることはできないものの、目的地に向けて新たな進路を設定するか、進路を定められないまま風に翻弄されるかのいずれかを選択することはできる。そして、前者を選ぶ方が遙かに面白いはずだ。

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