ITプロフェッショナルとしてのキャリアを加速させる--3つの方法 - (page 3)

Patrick Gray (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2011年10月04日 07時30分

自らを会社に見立てる

 雇用者と従業員の間にあった信頼関係が希薄化したり、終身雇用という概念が遠い昔に喪失したことからくる嘆きも、エントロピーという観点から語ることができる。筆者は、新入社員として入社した会社で定年まで勤め上げたという人物を1人だけ知っているが(筆者の父親である)、良くも悪くもこれは特殊な例だと言えるだろう。ただ、こういったことは諸刃の剣なのである。つまり、雇用者が従業員のことを、都合の良い時にいつでも増減できる、データベース上の単なる数値でしかないと捉えているのであれば、従業員であるあなたも雇用者のことを、給料の源であり、転職後に役立つ知識やスキルの源であると考えるようにすべきだというわけである。

 自らのキャリアを立て直すうえで役立ちそうな仕事が社内にあるのであれば、他に適任者がいたとしても、その仕事を任せてもらえるように手を尽くしたとしても何ら恥ずべきところはない。同様に、素晴らしい転職の話が舞い込んできたというのであれば、現在の雇用主に感謝しつつ、「立つ鳥跡を濁さず」を肝に銘じて礼儀正しく振る舞いながら退職したとしても何ら恥ずべきところはないのである。

 最悪の場合には、ゼロからキャリアを築き直すという道も検討してほしい。大変そうに思えるかもしれないが、自身を変革したり、業務知識とテクノロジまわりの経験を組み合わせた自らの立ち位置を見つけ出すために、再び学校に通って学位を追加取得するという選択肢も(費用はかかるものの)あるはずだ。ERPやCRM(顧客関係管理)といった大規模ビジネスソフトウェアプロジェクトでは、こういった役割がさまざまなところで求められている。また、社内におけるIT分野以外の仕事に従事させてもらえるよう依頼を出してみるのもよいだろう。

 仕事によって果てしない喜びを感じられる人など、滅多にいないはずだ。とはいうものの、苦悩しか感じられない仕事やキャリアにしがみつくというのは、人生の望ましい過ごし方ではない。われわれのほとんどは、こういった状況を変えるだけの力を内に秘めているのである。

注記:ITコンサルタントであるPatrick Gray氏は、TechRepublicでは主にIT Leadershipセクションでさまざまな記事を公開している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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