Improv Electronicsから電子メモの新製品「Boogie Board Rip」

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2011年09月06日 11時17分

 ベルリン発--電子リーダーは製品カテゴリとしてすっかり定着したが、Improv Electronicsと呼ばれる企業は同社の「Boogie Board」製品が別の製品カテゴリの確立に寄与すると考えている。それは電子メモだ。

 Boogie BoardはさまざまなLCD技術を使用しており、ユーザーはスタイラスや指先、さらに一定の圧力をかけられるあらゆるものを使って、文字を書くことができる。Boogie Boardに文字を書くときに電力は消費されない。同タブレットの画面の背景は暗く、ユーザーの書いた文字は明るい色で表示される。

 同社初の製品である40ドルのBoogie Boardは、ユーザーが書いた文字を消すときには電力を消費する仕様だった。しかし、1ページ分の情報しか保存することができず、消去された情報を復元することはできなかった。

 しかし、ユーザーたちからメモを保存する方法に関する質問が寄せられたため、Improv Electronicsは当地で開催のIFAエレクトロニクスショーで「Boogie Board Rip」を発表した。Kent Displaysと同社子会社のImprov Electronicsの最高経営責任者(CEO)であるAlbert Green氏は現地時間9月1日、インタビューでそう話した。

 Green氏によると、対角9.5インチのスクリーンを備えた新モデルは11月に世界で発売される予定で、価格は100ドルを少し超える程度になるという。新モデルではファイルがPDF形式で保存され、USBでコンピュータへ転送可能になる、と同氏は述べた。

Improv Electronicsの「Boogie Board Rip」。取ったメモをPDFファイルに変換する。価格は100ドルを少し超える程度になり、11月に発売される予定。
Improv Electronicsの「Boogie Board Rip」。取ったメモをPDFファイルに変換する。価格は100ドルを少し超える程度になり、11月に発売される予定。
提供:Stephen Shankland/CNET

 初代のBoogie Boardは小型のコインサイズの電池のみを使用しており、約5万回の消去を行うことが可能だった。しかし、PDFへの変換にはもう少し多くの電力が必要になるため、Boogie Board Ripは充電池を採用している、とGreen氏は話す。1回充電すれば数週間持つはずだ、と同氏は付け加えた。

 Green氏は初代Boogie Boardを大きな付箋紙のようなものと見なしている。例えば、家族に伝えたいメッセージを冷蔵庫に掲示するといったことが可能だ。しかしBoogie Board Ripについては、学校や職場で記録を残す必要があるときにメモを取る用途に向いていると同氏は考えている。

 この技術には今後どのような可能性があるのだろうか。Green氏は、さまざまなアイデアがあると話すにとどめた。だが、とりわけ同デバイスの比較的低い価格と電力消費量を考えると、デバイスの携帯電話への搭載や電子リーダーとの統合、ワコムのデジタルタブレットのようなコンピュータとのリアルタイム接続、さらには冷蔵庫への内蔵も実現するかもしれない。


初代Boogie Boardを見せてくれるGreen氏(提供:Stephen Shankland/CNET)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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