インスプラウトは8月25日、えとらぼが運営していた写真投稿・共有サービス「Pikubo(ピクボ)」の事業を自社に移管したと発表した。
Pikuboは、写真にフィルタやフレームでデコレーションし、ウェブ上で共有するサービス。自社で運営するアップロードサービスのほか、FacebookやTwitter、mixiの各種ソーシャルウェブへの投稿・共有機能も備える。
すでに8月1日付けで運営主体を変更しており、インスプラウトでは今後、Blackberryとフィーチャーフォン、PC向けに提供されているサービスを改良するほか、Androidを中心とするスマートフォンへの展開を計画しているという。
国内では同様のサービスとしてマインドパレットの「Snapeee」があるが、こちらは現在iPhoneアプリのみを提供している。現時点ではプラットフォームとして競合していないが、戦いになるのは時間の問題だろう。
Pikuboが競合サービスと異なる特徴を持っているとすれば、主にサービスを展開している地域がインドネシアという点だ。そもそも開発を行ったえとらぼの代表取締役の衛藤バタラ氏はインドネシア出身。元ミクシィのCTOというキャリアを持つ同氏は現在、東南アジア拠点のシード向けベンチャーキャピタル(VC)、EastVenturesを立ち上げており、今回の移管も「(衛藤氏がVCの)同事業に専念するため」(インスプラウト代表取締役の三根一仁氏)のものだという。
現在インドネシアのFacebookユーザーは約4000万人(8月25日現在。SocialBakers調べ)で、世界第2位の規模を誇る。この状況はPikuboのユーザーにも大きく影響を与えており、「現在のユーザーの約9割はインドネシア。残り1割が日本」(三根氏)という状況を作り出している。
PikuboのFacebookページには約22万の「いいね!」がついている。このFacebookユーザーのアクティブ率もなかなかのもので、運営側から情報を掲載した場合、一度で約500回の「いいね!」や40件程度のコメントがつくそうだ。
このようにユーザーがFacebookに集まっていることから、戦略も他社とは違ってくる。インスプラウトでは今後、写真共有のアップロード先としてFacebookやFlickrなどへの投稿を促し、自社でアップロードサービスを提供しないことで低コストでの運用を行いつつ、アプリ内広告で利益を上げるモデルを構築することも考えているという。
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