4枚のSIMカードも入れてみた。ではF160の電源を入れてみよう!スマートフォンではないので起動時間も短い。電源が入れば待ち受け画面の上には「検索中」の表示が4つも出てくる!4枚のSIMカードが本当に使えちゃうのね!しばらく待つと、無事に4つとも事業者名が表示されて使えるようになる。フツーのケータイよりは若干大きいけど、このサイズの中に4つものケータイユニットが入っているなんてものすごいことかもしれない。
発信するときは、まずSIMカード1と2か、3と4か、どちらを使うかを2つある緑の発信キーで選択する。次に発信キーを押すとSIMカード1か2か、あるいは3か4か、の表示が出るのでどちらかを押せばよい。発信時にワンステップ余計にかかるものの、4枚のSIMカードを自在に利用できるのは便利と感じる人もいるかもしれない。着信履歴から発信するときも、同様に4つのSIMカードを自由に選んで発信元を選択できる。
また海外ではメールよりSMSの利用が一般的だが、SMSの受信BOXもSIMカード4枚に対応しているのでにぎやかだ。電話帳もやはり4枚のSIMカードに入れたものがずらりと並ぶので壮観というかゴッチャゴチャ。まぁこのあたりは使う人が工夫してほしい。さすがに筆者も4枚のSIMカードをどう管理していいのか思いつかない……でも作ったメーカーの連中も実はどうしていいのかわかっていないんだろうなぁ(笑)。
4枚もSIMカードが使えるというすんごい機能を搭載しているF160だが、冷静に考えてみると利用するシーンが思い浮かばない。たとえばデータ定額SIMカードを組み合わせるという使い方もあるだろうが、QVGAクラスのディスプレイにJavaのブラウザでは大したこともできないだろう。待ち受けのショートカットにはFacebookがあるものの、通信方式は2Gだしアクセスには時間がかかるから実用性はなさそうだし。
しかも待ち受け画面もメニュー画面も恐ろしく見にくい。画面の物理的な解像度と内部ソフトウェアの解像度がマッチしていないんじゃないだろうか?テキストは内蔵フォントを使うのでそれなりに読むことはできるものの、このメニュー画面を毎日見るのは苦痛かもしれない。またアイコンがたくさんあるものの、単純にメニューの下層にあるアプリを表に出してきているにすぎず、中の機能は他のトンデモケータイと変わらない。
このように中身がしょぼいのに対して、キーボードは押しやすく、また発信キーや選択キー周りの処理も悪くはない。せっかくハードウェアがそれなりにいいのに、ソフトウェアまでは手が回らなかった、これが真相なんだろう。でもそもそも誰のための、何のための4枚SIMカード対応だっの?「うちはもう、4枚対応しか生き残る道はない!」と、ハードウェア優先で開発を進めた結果生まれたのがこのF160だったんだろうねぇ。
端末の物理的サイズを考えると4枚以上のSIMカード搭載は難しいだろう。ということでこんな不思議なケータイもこれ1機種で終わりかもしれない。だが必然性やユーザーニーズも無視して製品を開発し続けるのがトンデモメーカー。これからも「誰も欲しくない機能」を搭載した製品をじゃんじゃん開発してもらおうじゃないか!
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