カディンチェは7月28日、パノラマバーチャルショップ構築サービス「PanoPlaza」の提供を開始した。
PanoPlazaは店舗などで撮影したパノラマ写真に商品情報を結び付けることで、実際の店舗にいる感覚で商品を探せるECサイトを構築できるサービス。
ユーザーはまず、店舗のパノラマ写真を撮影し、PanoPlazaにアップロードする。そして、写真に結び付けたい商品の名称や価格、商品販売ページのURLといったデータを登録。さらにそのデータをドラッグアンドドロップ操作で写真上にマッピングすれば、あたかも実際の店舗にいる感覚で店舗内を閲覧し、商品を選択できる“パノラマバーチャルショップ”を作成できる。
PanoPlaza上で生成されるコードをウェブサイトに記述すれば、さまざまなサイト内にバーチャルショップを表示可能。PCでアクセスした場合は通常Flashで表示するが、HTML5での表示にも対応しており、スマートフォンでもバーチャルショップを利用できる。商品情報はCSV形式のファイルの読み込みにも対応する。ただし決済機能などは持たないため、商品情報のリンク先に既存のECサイトを指定するといった利用が中心となる。
利用は無料。5つのショップを作成可能で、ショップごとにパノラマ画像8点、商品情報100点までを登録できる。パノラマ画像から別のパノラマ画像へのリンクをつけることも可能だ。
カディンチェでは2011年2月から3月にかけて、プラザスタイルと協力して東京・銀座の「PLAZA GINZA」店内を再現するバーチャルショップを試験的に提供している。開設3日間の同社サイトアクセス数は約5倍を記録したという。「ECサイトのリスト表示は味気ない。商品の世界観をウェブでも再現することで、実店舗への送客にも寄与したのではないか」(カディンチェ)
また現在は編集工学研究所と共同開発し、同社が運営する「松丸本舗」のコンテンツ「松丸ぐるぐる」でサービスを提供している。
今後はユーザーの動向を見て、有料サービスやオプションなどを提供する予定。すでに小売業を中心に数社への導入が検討されており、「年内10~20社での有料版提供を目指す」(同社)としている。
カディンチェはソニー研究所のスタッフらが中心となって2008年に創業した。独自の室内空間3Dモデリング技術を保有しており、PanoPlazaでのパノラマ写真加工にもこの技術が応用されている。
同社は現在日本マイクロソフトが提供するベンチャー支援プログラム「Microsoft BizSpark」を利用している。このプログラムは創業3年目までのベンチャーに対して、Microsoft製品の提供や技術支援を行っている。PanoPlazaでもクラウド基盤に「Microsoft Windows Azure Platform」を、店舗側のユーザーインターフェースに「Microsoft Silverlight」をそれぞれ採用している。
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