クアルコムとルネサンス高等学校は7月27日、通信制高校の生徒の卒業資格取得を支援する「スマートフォン×デジタル教科書」プロジェクトを開始すると発表した。ルネサンス高校の生徒にスマートフォン、デジタル教科書、3G接続環境を提供し、いつでもどこでも学習できる環境を目指す。
ルネサンス高校は、内閣府より「教育特区」として認可された茨城県大子町に2006年4月に設立された通信制高校。アルバイトをしながら学習する生徒などが中心であるため、PCや携帯電話によるeラーニングを採用している。生徒数は現在約2200名。
同校では、2007年から携帯電話を使用した学習環境を提供してきたが、教科書には紙媒体を採用していた。今回のプロジェクトでは、デジタル教科書を採用し、学習コンテンツや資料もウェブサイト上で提供することで、生徒が場所を問わずどこでも勉強できるようにする。
対象になるのは英語演習A/Bの2科目で、ルネサンス高校は、生徒500名に対してauのスマートフォン「IS03」「REGZA Phone IS04」「IS05」を配布する。スマートフォンを使用することで、携帯電話では難しかった音声や動画を使用した学習も可能になる。
ルネサンス高校を運営するルネサンス・アカデミー代表取締役社長の桃井隆良氏は、「学習ツールとして教育効果の高いスマートフォンは間違いなく教育現場に定着していく。タブレットと違った意味で新しいデジタル教科書になっていくのではないか」と語る。
このルネサンス高校の取組みを支援するのがクアルコムだ。クアルコムでは、3G技術を通じて世界の地域社会を活性化するプログラム「Wireless Reach」を2006年に立ち上げており、日本では2007年10月に医療プロジェクトを開始した。今回はその第2弾で、クアルコムはルネサンス高校に資金援助を行っている。
クアルコムジャパン代表取締役社長の山田純氏は、スマートフォンとデジタル教科書を使って学習し単位も取得できる今回のプロジェクトについて、「トライアルの域を超えた実適用事例だ」と語り、今後も日本でモバイルラーニングが成功するための支援を続けていくとした。
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