MicrosoftのモバイルOS「Windows Phone」部門を率いるAndy Lees氏は、同社とパートナー企業が、同OSを搭載するスマートフォンのコストを、多数の新機種が市場投入される今後1年間で半分にまでカットできると考えている。
Microsoftのモバイルコミュニケーションビジネス担当プレジデントであるLees氏は米国時間7月12日、ロサンゼルスで開催中のMicrosoftのWorldwide Partner Conference(WPC)で聴衆1万5000人に、長期契約によって通信事業者が値引きする前の端末価格が、2012年には100~150ドルになるとの見通しを示した。同氏によると、現在は200ドル以上だという。1年前、Windows Phone端末は400ドルを超えていた。
こうした低コスト化が可能なのは、チップメーカーが今後、携帯電話に搭載できる小型プロセッサに一層多くの機能を詰め込むことが可能になるからだ。
Lees氏は、オンラインでストリーム配信された講演の中で、「みなさんは劇的な低価格化を目にすることになる」と述べた。
Lees氏はまた、MicrosoftがWindows Mobileをタブレットコンピュータ製造業者に提供しない理由を説明した。Microsoftの考えでは、タブレットの利用者が求めるものの多くは、ネットワークへの接続やドキュメントの印刷といった、PCでできる機能だという。
「われわれは、タブレットをPCの一種だとみている」(Lees氏)
さらにMicrosoftは、AppleのSteve Jobs氏も示唆しているように、タブレットはPCに置き換わるものではなく、むしろ多種多様な目的に利用できる技術分野の一部だと考えている。Microsoftは、PCで優勢なWindowsによる強みを生かし、同社の市場シェアが小さい携帯電話とAppleが君臨するタブレットにおける地位を強化したいと望んでいる。Lees氏は、Microsoftの「統一されたエコシステム」が消費者を魅了すると考えている。
「われわれは、PC向け、携帯電話向け、タブレット向けにそれぞれ個別のエコシステムを持つようなことはない」(Lees氏)
この目的に向け、MicrosoftのOEM部門担当コーポレートバイスプレジデントを務めるSteve Guggenheimer氏は、今後数カ月間に市販が予定される、そうしたエコシステムに適合する機器の数々を披露した。同氏はまず、新バージョンのWindows Phone(開発コード「Mango」)を搭載する、2011年秋にAcer、富士通、ZTEから発売予定のスマートフォンを手短に紹介した。同氏はまた、サムスンが近く発表する名称未定の機器をポケットから取り出して見せ、初めての披露だと述べたが、それ以上の詳細は明かさなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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