Twitterが、ソーシャルメディア分析企業BackTypeを買収する。米国時間7月5日のブログ投稿で発表されたこの買収からは、Twitterにおける2つの重要な傾向がうかがえる。
1つめは、マイクロブログサービスであるTwitterは、これまでサードパーティーが提供してきた各種機能を自社の直接制御下に置くという取り組みを今後も進めていくつもりであるということだ。Twitterは最近、人気の高いTwitterクライアントアプリケーションである TweetDeckを買収した。また、写真共有機能を同社の機能セットに追加した。これらの動きにより、Twitterユーザーはサードパーティーのサービスに頼ることなく、Twitterによって、またはTwitter上で必要な機能を利用できるようになる。
2つめに、ソーシャルな影響力を測定することの価値が高まっていることがうかがえる。BackTypeの主なサービスは、同社の顧客に関するツイートがTwitterを通してどのように伝達されているか、そして、ある企業または話題についてTwitter上で最も影響力の高い人々は誰かを顧客に教えることであった。このような情報は、Twitterのようなソーシャル企業にとっては収益源である。マーケッターらは、Twitterであれ、Facebookであれ、その他のサービスであれ、ソーシャル空間において自分たちにとって重要なのは誰であるかを知りたいと考えるからだ。
しかし、TwitterがBackTypeを買収した本当の目的は、同社のコア技術、特に、Twitterデータの「Firehose」をリアルタイムに処理可能と言われている「Storm」機能における技術を獲得することにあるようだ。買収条件は公表されていない。短期的には、BackTypeは「BackType製品およびAPIサービスを廃止する予定である」と同社の企業ブログで述べた。その測定および追跡サービスは、Twitter独自のブランドの下に再提供されることになるのだろうと予測できる。
無償のTwitter分析サービス「BackTweets」は、現行ユーザー向けには引き続き提供されるが、新規ユーザーには提供されない予定である。
Googleのソーシャルネットワークとしては初めて成功しそうな「Google+」が提供開始されることを考えると、今回のBackType買収は非常に理にかなっている。ソーシャルネットワークの支配に向けた競争は、慌ただしいユーザー獲得(これについてはFacebookがリードしている)から影響力の獲得へとシフトしている。Kloutなど、既に影響力測定事業に参入している企業もある。影響力測定のためのできる限り優れた技術を所有することにより、ソーシャルネットワーク企業は、ユーザーの影響力向上をより容易に支援することができる。そして、そのような影響力こそ、マーケッターらが金銭を支払ってアクセスしたいと考えるものである。BackTypeの技術とエンジニアをうまく吸収することができるならば、Twitterはこの買収による十分な見返りを得ることになるにちがいない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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