MicrosoftがWebGLへのセキュリティ懸念を示す一方で、Appleはウェブブラウザで3Dグラフィックスを表示させるための同技術を取り入れようとしている。
「Safari」がベースとするオープンソースブラウザ「WebKit」のナイトリービルドにはWebGLのサポートが含まれているが、AppleはWebGLを正式にサポートするつもりかどうかについては明らかにしていなかった。しかし、Appleのある社員が先週、WebGLは「iOS 5」において、「iAd」のみを対象に利用可能な選択肢の1つとする予定であると述べた。
AppleのChris Marrin氏は、WebGLのメーリングリストで、「WebGLは、iOS 5において一般的には提供されない。iAd開発者のみが利用可能となる予定である」と述べた。
「iPhone」や「iPad」上にうっとうしい「Flash」の広告が表示されないことをありがたく思っていたユーザーは、WebGLをベースとするアニメーションの3Dグラフックスが今後は表示されると覚悟しておくとよいだろう。WebGLは、スクリーン上を動き回る2Dアニメーションにも対応する。
WebGLがPC向けのSafariでサポートされるかどうかは明らかではない。
Appleのサポートは制約はあるものの、批判を浴びている同技術にとっては心強い後ろ盾となる。セキュリティ企業Context Information Securityが表明していた懸念については、その後対策が講じられたが、Microsoftは米国時間6月16日、WebGLに対してさらに大きな懸念を表明した。
Microsoftは、「WebGLは修正が困難な脆弱性を持ち続ける可能性が高いとわれわれは考えている」と述べた。「現在の形式では、WebGLは、セキュリティの観点においてMicrosoftが承認できる技術ではない」(Microsoft)
17日には、「Doom」や「Quake」で有名なId Softwareの創設者兼技術ディレクターであるJohn Carmack氏からも、注目すべき懸念が表明された。
Carmack氏は17日、Twitterで「WebGLが深刻なセキュリティリスクを抱えているというMicrosoftの評価に同意する。グラフィックスドライバには、セキュリティの文化が存在しない」と述べた。「NaClは、不安を感じさせるものの、WebGLよりもセキュリティの改善がずっと容易である」と同氏は付け加えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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