Googleは先ごろ、「Gmail」が中国を起点とするハッキング攻撃のターゲットになったことを明らかにしたが、このほど「Google Chrome」を修正し、同ブラウザがGmailと行う接続を常に暗号化するようにした。
すでにGmailはデフォルトで暗号化するよう変更されており、ブラウザのアドレスバーに表示されるURLが「https」で始まるこのモードでは、ネットワークトラフィックを傍受しようとする外部の者がユーザーの電子メールを閲覧することはできない。ユーザーはこれまで、「http://gmail.com」と自分で入力することで暗号化されていないバージョンにアクセスできていたが、Chromeではこれができなくなる。
Googleのプログラミング担当者は米国時間6月14日付のブログ投稿で、「『Chromium 13』以降、Gmailへの接続はすべてHTTPSを使用する。ユーザーがURLバーに『https://』のプレフィックスを付けず『gmail.com』または『mail.google.com』と入力しても、必ずHTTPS通信になる」と述べた。記事によると、このアプローチは、ブラウジングセッション乗っ取りに使われる恐れのあるsslstripタイプの攻撃から保護するものだという。
この強制的な暗号化に用いられている技術は、HSTS(HTTP Strict Transport Security)と呼ばれるもので、ブラウザはこれを使い、任意のウェブサイトについてセキュアなHTTP接続を用いる場合に限り接続可能とするよう指定できる。HTTP(Hypertext Transfer Protocol)は、ウェブブラウザがウェブサーバと通信し、ウェブページを取得する方法を管理するプロトコルだ。
今回の動きは、セキュリティを自社ブラウザの主なセールスポイントにしようというGoogleの試みとも合致したものだ。GoogleはChromeのセキュリティを高めることによって、直接的には自社サービスの脆弱性を改善するというメリットをもたらすとともに、間接的には人々がプライベートや仕事の時間を過ごすウェブをより安全な場所にするという恩恵も提供している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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