そうです。3C、つまりモノ(商品)からコト(行動)へ移行したといえるでしょう。3Sは、Social(ソーシャル・社会性)、Sharable(シェアラブル・共有)、Sustainable(サステナブル・持続性)の頭文字です。「Social」は、例えば「エシカル消費」という言葉がありますが、どちらかというと社会に貢献する商品を買いたい、社会に貢献できるサービスの方がいいという考えです。社会に貢献できる商品やサービスへの関心が高まっていることを指します。
「Sharable」は、誰かと繋がっていたいという欲求が増え、共有すること、共有する場への関心が高まったいることを指します。実名で伸びているFacebook状況がこれにあたるでしょう。また、「造縁力消費」という言葉がありますが、これもそうでしょう。カーシェアリングが代表的だと思いますが、縁を作っていくということで消費をすることをいいます。
もうひとつ「Sustainable」は、あえて「エコ」という言葉を使いたくありません。いままでのエコは狭義の節約を指している気がして、今度の原発の問題や電力問題を経て、これまでのエコ意識を超える切実な生活態度変容の意識が身についてきたであろうと思います。その意識を指しています。
この3つの言葉は、実は1つ1つは新しいことではなく、そもそもあった、みんなが言ってきたような話です。しかし、何か優等生のような話だったのががらっと変わって突き抜けたのです。しかも、政府や企業がいったわけではなく、ボトムアップでそうした空気ができあがってきたという実感があります。
今後は、この3つのSに合致したコミュニケーションや訴求の仕方が鍵になっていくと思います。商品やキャンペーンでこれを無視したり、相反することをしたりすると、思っていた以上に消費者からそっぽを向かれる可能性もあるでしょう。裏を返せば、こうした消費者の変化をつかんだ上で戦略的に展開すれば、チャンスにもなると思います。手法の理解と手法を実践するというのは非常に大事ですが、明らかに変わった消費マインドをきちんと整理してとらえて、その中で仕掛けていくというのがマーケティングには重要ではないでしょうか。
できれば3Sの1つか複数の要素を、商品やサービスを開発する時点から念頭におくべきだと思います。広告のクリエイティブをこうすればいいとか、これまでテレビでやってきたことをTwitterやFacebookでやりましょうとか、単純な手法やこれまであった手法を違うメディアに載せ替えるという話ではないのです。開発段階から3Sを念頭において、その視点で企業は何ができるのか、提供できるのかということを考えていくべきでしょう。
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