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「Windows 8」で問われるMSのタブレットとPC戦略--鍵を握るタイルUI

Mary Jo Foley (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 末岡洋子2011年06月03日 15時35分
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 Microsoftが米国時間6月1日に「Windows 8」用ユーザーインターフェース(UI)の初期バージョンを披露してから1日が経過した。このUIを動画や写真で見た上で、わたしは複雑な感想を持っている。

 タブレット向けとしては、「Windows Media Center」「Windows Phone」からヒントを得たと思われるタイルインターフェースは良さそうだ。Windows Phoneでタイルインターフェースを使ってみたが、タッチでの操作が主で中心となるようなデバイスにインストールされた場合、Windows 8を操作する方法としては素晴らしいと思う。

 だがPC向けとなると、確信が持てない。特に、購入2年目になるわたしの軽量薄型のASUS製PCのようなレガシーなPCとなると。タッチ中心ではないマシンでWindows 8を利用するメリットはあるのだろうか。Microsoftの幹部はたしかに、「Modern Shell(MoSH)」によりキーボードとマウスで操作できると述べている。それに、ユーザーはタッチ中心モードとこれまでの「Aero」インターフェースモードの間を切り替えて使うことになるだろう。それを考慮しても、タッチ端末ではないマシンで、ジェスチャーとタッチに最適化されたデフォルトのユーザーインターフェースが必要になるようなことがあるだろうか。

 Microsoftは1日、予想やうわさとは反対に、タブレットだけではなく、全てのWindows 8搭載PCで新しいシェルがデフォルトになる方針を明確に示した。われわれMicrosoftウォッチャーの多くは、デフォルトにするのはタブレットのみだと思っていた。

 もしわたしが「Windows Vista」や「Windows 7」がインストールされたPCを使うビジネスユーザーなら、タッチ中心のWindows 8にアップグレードしたいと思うだろうか。起動時間やシャットダウン、休止が高速になり、改善されたデータ復旧メカニズムが組み込まれ、アプリケーションの購入や追跡ができる「Windows Store」などの特徴があったとしても、アップグレードする気になるかどうかはわからない。

 このように考えると、MicrosoftはWindows 8では同OSがプリインストールされた新規PCの購入予定者をターゲットとし、既存ユーザーは旧版のWindowsを使い続けると考えているのだろうか、と勘ぐってしまう。1日に行われたWindows 8のデモで、Microsoftの幹部はWindows 8で可能となる新しい種類のアプリケーションにスポットを当てていた。Microsoftは次期Windowsのリリースで、レガシーおよび業務アプリケーションを持つユーザーのことは考えていないように見える。

 登場が見込まれているARMベースのWindows 8搭載タブレットについて、Microsoftの関係者は、こうしたデバイスで今後、既存のx86版Windows用アプリケーションが動くようになるといった互換性の見込みはないと述べている(Microsoft自身が、「Office」をARMベースのWindows 8タブレットでネイティブに動かせるよう手を加えなければならない理由もここにある)。Windows 8を搭載したx86ベースのPCについては、現在のところWindows 7で動作するアプリケーションと周辺機器に対して、(全てか部分的か不明だが)サポートを提供すると声明で述べている。

 (Microsoftはまた、より古いレガシーおよび基幹業務アプリケーションを稼働可能にするため、Windows 8に何らかの仮想化技術を入れるのか、入れるとすればどのようにするのか、その計画についてまだ明らかにしていない)

 タブレットとPCの境界があいまいになってきている企業にとっては、タッチに最適化した新しいシェルインターフェースという方向性は納得がいく。だが、「iPad」「Android」と対抗してPCの売り上げを伸ばそうという企業であれば、Windows 8のデフォルトUIは意外な方向性にみえる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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