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「通信料は“入口課金”から“出口課金”へ」--UQ野坂社長

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 東京ビックサイトで開催中の「ワイヤレスジャパン2011」の基調講演で、UQコミュニケーションズ代表取締役社長の野坂章雄氏は、同社のモバイルWiMAXサービスの特徴と現在、そして今後の取り組みについて説明した。

UQコミュニケーションズ代表取締役社長の野坂章雄氏

 野坂氏はまず、東日本大震災における被災、復旧状況について説明。3月11日の震災発生当初は東北地方の2000基地局が停波したものの、電力や中継回線の復旧とともに回復、4月初めには数局以外はほぼ回復したという。5月30日には立ち入り不可となっている物件1件を除き、すべて復旧する予定だ。

 早い段階で回復できた理由として、野坂氏はモバイルWiMAXの基地局がコンパクト、かつ高い防水、通気性を備えていることを上げる。またデータ専用の回線で通信規制がかからなかったことから、Twitterなどを用いた安否確認に多く利用されたとした。

 続いて野坂氏は、6月中旬までにUQ WiMAXの会員数が100万人を達成する見込みだと説明。3月に目標としていた80万会員を達成するなど、好調に会員を獲得している。この大きな要因としては、連続最大8時間稼働が可能な「ATerm3500R」をはじめとするモバイルWi-Fiルータ端末を拡充し、自宅でも外でもシームレスに利用できる高速インターネットを実現したこと、そして1年契約前提ながら3880円の定額で利用できる「UQ Flat年間パスポート」の存在を上げている。

 WiMAX機能を搭載したPCからの契約増も大きいとしており、「30%くらいくらいになっているが、もっと上げていきたい」と野坂氏は話す。また次なる成長要素として、auから発売された「htc EVO WiMAX」に代表されるスマートフォンも上げ、個人だけでなくテザリングでの利用にも期待を寄せた。

 日経BPコンサルティングが5月16日に発表した、モバイルデータ通信の顧客満足度評価では、UQ WiMAXがスピード、アプリ、デバイスの3つで高い評価を得ており、順位も上昇しているという。中でもスピードは、都内各所の実行速度調査において他社サービスよりも高速であることをアピール。一方でエリアについては遅れているイメージが強いといわれるが、BWAという視点で見れば他社サービスの人口カバー率が数パーセントという状況の中、71%の人口カバー率であるとし、広範囲をカバーしていることを主張した。

 その後は、現在のWiMAX利用事例について説明。工事や配線が不要ですぐにブロードバンド回線が利用できることが優位に働く「引っ越し」「女性」に向けた活用事例や、MACアドレスを認証手段として活用し、慶応大学湘南藤沢キャンパスでイントラネットに相互接続するなど「大学生活」に向けた活用事例、そして米国でWiMAX搭載PCが無料で使えるなど「海外」での利用もなされていると野坂氏は話す。

 2011年の取り組みとしては、現在1万4000局となっている基地局数を、2012年度末までに2万局まで増設するとしている。具体的には、電車内にレピーターを設置して走行中にWiMAXを利用できるようにする、ホームの端に指向性アンテナを設置して地下トンネル内をエリア化するなど交通網に向けた取り組み、全国の主要地下街に小型基地局を設置するなどの取り組みが示されている。

 もう1つ、上り速度の高速化として、64QAM符号化方式の導入を予定しているという。導入により16QAMを利用している現在と比べ、実行速度は5Mbpsから7.5Mbpsと、1.5倍の高速化が実現できるとしている。

 さらにその次の取り組みとして、次世代となる「WiMAX 2」(IEEE862.16m)を上げた。WiMAX 2は最大330Mbpsの通信速度が実現可能で、時速350kmでの高速移動中の通信も実現。さらに現在のWiMAX(IEEE862.16e)との後方互換も確保するというもの。WiMAX 2はすでに標準化を完了しており、総務省の技術審査が開始予定であるほか、UQコミュニケーションズはWiMAX 2の公開フィールドテストを、7月初旬に実施する予定だと発表している。

 野坂氏は、UQ WiMAXの利用フィールドの広がりについて説明。今後はPCやスマートフォンといったPCの分野から、デジタルカメラや電子書籍端末などより多くのデバイス、そしてM2MなどのノンPCの分野へと広がるのではないかと予測。その事例として、カラオケ店での活用や、家庭の電力を管理するスマートメーターの米国における実証実験事例などを紹介した。

 また、現在は一定の通信量ボリュームに対して通信料金を支払う“入口課金”が主となっているが、米Amazonの「Kindle」を例に上げ、今後は使わない時は無料で、コンテンツを利用する際に通信料を支払う「出口課金」という仕組みもあり得るのではないかと野坂氏は主張する。さらに今後は、モバイルWiMAXが持つMACアドレスの仕組みを用いて、IDやパスワードが不要で自動認証できる仕組みの活用についても、デバイスメーカーと話していきたいとした。

 「UQコミュニケーションズが目指すところは、WiMAXでモバイルブロードバンドを提供し、真のインターネットをグローバルで実現すること。この思いを実現していきたい」(野坂氏)

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