サムスンの子会社Nouvoyanceは、タブレットPCへの搭載を念頭に置いた画期的な10.1インチ液晶ディスプレイ(LCD)を5月第3週に発表する予定だ。
この高性能な10.1インチLCDは、(HTCが製造したGoogleの「Nexus One」やサムスンの「Galaxy S」、Motorolaの「Motorola ATRIX」などで採用されている)PenTile RGBW技術を用いて2560×1600ピクセル(WQXGA)、300dpiの解像度を実現している。PenTile RGBW技術には多くの改良点があるが、中でも特徴的なのは、RGB(赤、緑、青)で構成されていたカラーフィルタに白のサブピクセルを追加し、高輝度で鮮明な表示を可能にした点だ。
試作段階のこのディスプレイには、色域の広さや、従来のRGBストライプ配列のLCDと比べて40%少ない消費電力で300cd/m2の輝度を実現するなど、ほかにも注目すべき要素がある。屋外モードを有効にした場合には、輝度を600cd/m2まで上げることもできる。屋外での視認性はこれまでタブレットPCの弱点であり、Amazonは競合製品を批判する「Kindle」のコマーシャルでその点に的を絞ったほどだ。
サムスンは、Appleの「iPad」などさまざまなタブレットPCにLCDを供給している。技術分野のブロガーらは、「iPad 3」が2012年に発売された場合、今回発表される高解像度ディスプレイが採用される可能性があると推測している(Appleとサムスンは現在、特許などの知的財産をめぐる訴訟問題を抱えているが、DigiTimesによると、LG製品の光漏れ問題を受けて、Appleはスクリーン製造元をサムスンに変えたという)。
Nouvoyanceの高性能ディスプレイは、米国時間5月15日からロサンゼルスで開催中のSID(Society For Information Display) Display Week 2011カンファレンスで初披露される予定で、サムスンは2011年内にもタブレット向けに商用提供を開始できると予測している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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