クーポン共同購入サイト「LUXA」を運営するルクサは5月12日、クーポン共同購入サービスの国内市場に関する独自調査を実施した。その結果、4月の推定月間総売上高は過去最高となり、2010年4月に同種のサービスが国内に登場して以来、推定累計総売上高は128億円に達したという。
推定月間総売上高については、3月11日に発生した東日本大震災の影響などから大幅に売り上げを落とした3月の11億5000万円から急回復。前月比270%増の31億5000万円となり過去最高を記録した。
震災後、クーポンの販売を自粛したり、メールマガジンやTwitterでの告知を停止したりしていたサイトも多かった。しかし3月末から4月にかけて、上位サイトを中心に全国販売可能なギフト券のクーポンなどを大量に販売したほか、震災の影響を受けにくい物販で大幅に売り上げを伸ばすサイトが目立ったという。
またサイト総数は222サイトで、4月に新規参入したサイトは3サイトだった。2011年に入り、販売枚数の伸び悩みや商品が確保できないといった問題から事業を譲渡するサイトも散見されており、4月中に1枚以上のクーポン販売実績のある、いわば“実質的に稼動しているサイト”の数は約80サイトとなっている。
ルクサ代表取締役の南壮一郎氏は、「1月から3月まではイレギュラーだが、これまで総売上数は拡大し続けている。ネガティブになっているのは一部で、フラッシュマーケティング自体は健全」と語る。1月から2月にかけてはグルーポン・ジャパンの“おせち騒動”があったほか、3月には東日本大震災の発生により総売上が落ちたが、サービスの認知度は高まっており、本来であれば売上は順調に推移していたはずだと説明する。
その一方で、サービス間の競争はさらに激しくなるという。「参入障壁が低く見えるので一気に200以上のサイトが乱立したが、資本力や差別化戦略がなければ淘汰(とうた)される。グルーポン・ジャパンの『Groupon』とリクルートの『ポンパレ』は売上でも資本力でも2強だが、彼らと同じモデルをやるのでは、あと数社しか残らないのではないか」(南氏)。
ルクサも2010年後半にベンチャーキャピタルのジャフコから5億円を調達し、その資本をもとにマーケティング施策を強化しているが、南氏は「2強と同じことをするのではなく、差別化戦略を進める」と方針を説明する。
同社はこれまでも、高級路線での商品展開をしてきたが、今後はこれをさらに強化。5月12日から5月18日までは総額100万円超のサービス、商品をパッケージしたプレゼントキャンペーンも実施する。また各社のクーポンに多い飲食店だけでなく、家電や食品、美容品など物販に注力する。そのほか独自のポイントシステムも導入するほか、リピーターに限定したクローズドセールなども検討中だという。
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