マイクロソフトのデジタルアイデンティティ担当幹部が退職

Mary Jo Foley (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 末岡洋子2011年05月06日 15時04分

 情報筋によると、MicrosoftのDistinguished Engineerでアイデンティティ担当チーフアーキテクトのKim Cameron氏が米国時間5月4日でMicrosoftを退職したという。

Kim Cameron

 Cameron氏は、現在でもよく知られ、重要視されている「Laws of Identity」(アイデンティティの原則)を作成したことで知られる人物だ。Microsoftにおけるユーザー中心のアイデンティティアーキテクチャの第一人者で、「Active Directory」「Federation Services」「Forefront」「CardSpace」などの製品でアイデンティティ関連機能の開発に携わった。最近では、ユーザーが電話、PC、クラウドにまたがってフェデレートすることを可能にする「Next Generation Active Directory」(NGAD)フェデレーションサービスにも取り組んでいた。

 Twitterでは、Cameron氏の退職を伝えるツイートがいくつか流れている。わたしの情報筋の1人によると、本社のあるレドモンドで5月4日に送別会が催されたという。Cameron氏の退職と後任についてMicrosoftに確認を求めたが、いまのところ回答は得られていない。

 Microsoftは2011年2月、「Windows CardSpace 2.0」をリリースしない方針を明らかにしていた。「Windows InfoCard」としてスタートしたCardSpaceは、個人のデジタルアイデンティティを代表することで、ユーザーがサードパーティーとやりとりできるようにするというものだ。

 Microsoftのアイデンティティグループでは管理職の入れ替わりが続いている。2009年にMicrosoftに入社したバイスプレジデントのLee Nackman氏がディレクトリ、アクセス、情報保護担当バイスプレジデントを務めていたが、同氏はその後この役職を離れ、(最後に得た情報によると)オンラインサービス部門の課金・プロビジョニング分野を統括する新しい役職に就いているという。Microsoftは現在、Nackman氏の後任を探しているところだ。

 Cameron氏は、1999年にMicrosoftがZoomItを買収した際にMicrosoftに入社した。Microsoftの経歴によると、「ZoomItの技術担当バイスプレジデントとして、(Cameron氏は)メタディレクトリ技術を発明し、初の製品を作り上げた」という。

 2010年には、Cameron氏と同じくアイデンティティ分野でよく知られるDick Hardt氏も、勤務1年を経過したばかりの時点でMicrosoftを退職している。

 Cameron氏の退職の知らせは、Windows Liveチームが次期開発者向けプラットフォーム「Messenger Connect」で「OAuth 2.0」をサポートすることを発表した日と重なった。OAuth 2.0はインターネット技術タスクフォース(IETF)が規定するインターネット認証技術の仕様である。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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