サイボウズは3月30日、都内で会見を開き、3月16日に発表した連結決算と今後の事業戦略について説明した。
サイボウズの2011年通期(2010年2月1日~2011年1月31日)の連結売上高は、前年同期比20.1%減の53億1200万円、営業利益は同81.1%増の7億7000万円、経常利益は同83.9%増の7億9800万円、純利益は同38.9%増の3億9200万円となった。
一部子会社が連結から外れたことで減収となったが、赤字子会社が連結から外れたことから増益につながった。また、サイボウズ単体での売上は前年同期比1.6%増の40億1300万円だったが、積極的に研究開発や広告投資を行なったことから純利益は同6.3%減の5億300万円となった。
会見に臨んだサイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏は、スマートフォンから社内のグループウェアを利用できる「サイボウズモバイル KUNAI」や、無料グループウェア「サイボウズ Live」の自由登録制などを例に挙げ、2011年度は“グループウェアの拡張”に注力した1年だったと振り返る。
また、リーマンショック以降は国内グループウェア市場が横ばいになっていると説明し、グローバル展開の重要性を訴える。サイボウズが中国に設立したサイボウズ上海は中国展開をする日系企業へグループウェアを提供している。また「サイボウズガルーン」は2010年8月に英語と中国語に対応した。
「国際化対応は必須になりつつある。(国際化に)対応できないグループウェアは淘汰されていくのではないか」(青野氏)
3月11日に発生した東日本大震災では、グループウェアを活用した社内の在宅勤務体制を整備したほか、東北地方の顧客に対して専用のメール窓口を設置した。また、社外から社内のサイボウズ製品へアクセスできる「サイボウズリモートサービス」を60日間無償で提供する支援を実施している。
青野氏は、震災後に携帯電話の通話やメールがつながりにくい状態が続いた一方で、サイボウズ Liveでの安否確認やSkypeによる通話は問題なく利用できたと語る。「ネットは非常時には使えないと思われているかもしれないが、実際には逆のことが起こった。ネット環境の整備をもっと国をあげて進めるべき」(青野氏)
今後はよりグループウェアへの取組みを強化し、サイボウズ Officeやサイボウズガルーン、サイボウズモバイル KUNAIなど、同社の主力製品をバージョンアップするほか、海外展開を加速させるという。
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