パナソニックは3月9日、CATV向けに携帯電話やスマートフォンから遠隔予約録画ができる「ディモーラ(DiMORA)」と、低予算でテレビポータルを構築できるホスティングの2サービスを提供開始すると発表した。
パナソニックAVCネットワークス社 映像・ディスプレイデバイス事業グループCATVビジネスユニットマーケティンググループ グループマネージャーの倉本豊氏は「放送業界は地上アナログから地上デジタルへと切り替わる大きな環境変化の中にある。そうした変革の中で、ユーザーにハイグレードな視聴体験と付加サービスを提供していきたい」とサービス開始にあたり意欲を話した。
ディモーラは、パナソニックがデジタルレコーダー「ディーガ」用に提供している遠隔録画予約サービスのCATV版だ。ユーザーは自宅にあるセットトップボックス(STB)に、パソコンや携帯電話、スマートフォンを用い、外出先から番組の録画予約ができるようになる。
CS番組や地上デジタル区域外再送信など、ケーブルテレビ事業者独自の番組編成に対応していることが特長で、各ケーブルテレビ事業者が提供する番組表の利用も可能だ。
ディモーラの操作画面には、独自のサービス名称を挿入したり広告スペースを用意したりすることも実現。ケーブルテレビ事業者のホームページや別サービスへのリンク構築もできるとしている。
ディモーラサービスに対応するSTBは、パナソニック製の「TZ-DCH9810/BDW900P/BDT910 P、M、F」。別途STBと通信するシステムが必要となるが「TZ-DCH2000/2800/9000/9800/HDW600 M、F/BDW900 M、F」といった機種でも対応可能だ。
サービスの受注開始は3月を予定。サービスへの課金は「ケーブルテレビ事業者側の判断」としている。なお、ディーガ向けのディモーラサービスでは、メール通知機能に有料サービス(2011年6月から有料化、月額315円)を用意しているが、そのほかは会員登録をすれば無料で利用できる。
CATVユニバーサルポータルのホスティングサービスは、ケーブルテレビ事業者が独自のテレビポータルを低予算で構築できるというものだ。パナソニックでは2010年6月に同様のサービスを提供開始。新サービスはホスティングサーバ方式を採用することで、ケーブルテレビ事業者側の設備投資をなくし、低予算で構築できるというメリットを持つ。
テレビポータル画面用にテンプレートを複数用意するほか、番組おすすめメタデータ配信サービス、CS番組ガイドサービス、広告チラシ配信サポート、ゲームといったアプリケーションサービスも提供。STBの起動状況を離れた家族などにメールで自動配信する「TV見守り支援サービス」なども利用できるとしている。
コンテンツ作成・管理システム「Coralway(コーラルウェイ)」により、コンテンツの差し替えやアクセルログ集計などの作業をサポートするほか、コンテンツプロバイダーの紹介なども請け負う。
サービスの提供開始は4月から。今後は、STB向けだけでなく、スマートフォンやタブレット端末に向けてもCATVユニバーサルポータルサービスと連携できるプラットフォームを提供していく予定。ミドルウェアは2011年春から海外で導入するテレビ向けインターネットサービス「VIERA Connect」と同様の技術を採用しており、ACCESS経由で機器メーカーに提供することもできるとしている。
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