三菱電機、レーザー液晶テレビを開発--2011年度内発売へ

加納恵(編集部)2011年02月16日 19時26分

 三菱電機は2月16日、バックライトにレーザーを採用した「レーザーバックライト液晶テレビ」を開発したと発表した。同社の研究開発成果披露会で紹介された。

執行役社長の山西健一郎氏 執行役社長の山西健一郎氏

 披露会に先立ち執行役社長の山西健一郎氏は「研究開発は成長戦略の要。今後も開発スピードをアップして早期実用化を目指したい」と話した。

 三菱電機では、すでにリアプロジェクションタイプのレーザーテレビを2008年に米国、2010年には国内で発売。色純度の高い赤、緑、青のレーザー光を用いることで、高輝度、広色域を実現したとしている。

  • 白色LEDを採用した液晶テレビ(左)とレーザーバックライト液晶テレビ(右)の色再現範囲の違い

 開発発表されたのは液晶テレビのバックライトにレーザー光を用いたもの。人の目で見て違いのわかりやすい赤のみをレーザー光にし、緑と青には、混合色であるシアン色LEDを使用している。これにより白色LEDを使用した液晶テレビと比べ、色再現範囲を約1.3倍に拡大。従来型液晶テレビ同等の薄さも確保できるという。

 レーザーとLEDは異種光源のため、光の発散角が異なる。そのため三菱電機では独自の光学系を開発し、2種の光源でも液晶パネルに均一に照射させることを実現。色ムラのない高画質を再現できるとしている。

 赤色のみをレーザー光にした理由については「赤色レーザーは、LEDに比べ色純度が高く、今まで表現できなかった鮮やかな赤や、微妙に異なる赤が表現できる」とのこと。今回、シアン系LEDを採用した緑、青については「赤色レーザーに比べ、緑、青の小型レーザーは入手しにくい。コストパフォーマンスなども考慮し、今回最もバランスの良い形で仕上げるためにLEDを採用した」とした。

 会場では46V型モデルが参考展示されており、筐体は現在発売されている46V型液晶テレビのものをそのまま利用しているとのこと。大画面のハイエンド向け液晶テレビとして、2011年度中の商品化を検討している。

  • レーザーバックライト液晶テレビ

  • レーザーバックライト液晶テレビ(左)と白色LED液晶テレビ(右)の比較

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