米Cloud EnginesとソフトバンクBBは、2月4日よりパーソナルクラウドを実現するファイル共有デバイス「Pogoplug」の国内販売を開始する。Amazon.co.jpでオンライン販売するほか、ソフマップ、ビックカメラ、ヨドバシカメラの店頭で販売する。価格はオープンだが、市場想定価格は9800円。
Pogoplugは、本体に接続したストレージを同一ネットワーク内やインターネット経由で共有してパーソナルクラウドを構築できる製品。4つのUSBポートを備え、それぞれにハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリの接続が可能。本体自体にはストレージを持たない。対応OSなどは以下の通り。
同社が「わずか60秒」と語るほど、ネットワークの知識がなくても容易にセットアップできることが特長。Pogoplugにルータとストレージを接続し、ウェブサイト上でアカウントを作成するだけで、利用可能になるという。
購入後のサービス利用料は無料。WindowsおよびMac OS向けにはクライアントソフトが用意されている。これを導入すれば、Pogoplugに接続したストレージをPC上で認識できる。またiPhoneやiPad、Android、Blackberry、Palm Pre向けにはアプリも提供する。ブラウザ経由でもストレージ上の写真や動画、音楽にアクセス可能だ。サービスを運用するサーバは日本国内に用意し、運用はソフトバンクBBが担当する。
友人や知人とのファイル共有機能も備える。ブラウザ上でファイルを選択し、Eメールを送付すれば、ワンクリックでファイルを共有できる。アクセス権を付与することでストレージへのフルアクセスも可能。また、USBやWi-Fiで接続したプリンタを使ってストレージ内のデータを印刷をする「クラウド印刷」もそなえる。
Cloud Engines代表取締役社長 兼 CEOのDaniel Putterman氏は、「2007年にiPhoneが発売された際、8Gバイトのストレージしかなかった。しかし私は家に私は1Tバイトのストレージがあった。これをiPhoneで利用するために、オンラインストレージを借りることを考えたが、価格を調べると500Gバイトで年1000ドル。私には高すぎると思った」とPogoplug開発の経緯を語る。
DropboxやSugarSyncをはじめとして、パーソナルクラウドは注目を集めている。Putterman氏は、これらのサービスとPogoplugを比較して、「(運営会社の)倒産やクラッシュでデータはなくなってしまうが、Pogoplugはデータを自宅に格納している。また家と会社などで2つのPogoplugを利用すれば、自動でバックアップがされる」とその優位性を語る。さらに、「何らかの理由でCloud Enginesがサービスを提供できなくなった場合、ソースコードを公開すると宣言している」とした。
またソフトバンクBB執行役員 コマース&サービス統括 CN事業推進本部 本部長の倉光哲男氏によると、今後同社ではPogoplugをパーソナルクラウドの基幹商品と位置づけて市場拡大を進めるという。法人へのサービス展開や月額課金型のサービス提供も検討する。なおソフトバンクグループとしては、BBソフトサービスがSugarSyncの国内運営を手がけている。Pogoplugの提供はユーザーにクラウドサービスの選択肢を拡大することが目的であり、競合する製品ではないという。
Cloud Enginesは2007年に米サンフランシスコで設立された。開発拠点はイスラエルにあり、現在ハードウェアは中国および台湾で生産している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」