三洋電機は、2011年3月期第3四半期(2010年4月〜12月)の連結業績を発表した。リチウムイオン電池の単価下落など厳しい経済環境となったが、原価低減活動などが奏功し減収増益となった。
売上高は前年同期比3.1%減の1兆1493億円。太陽電池や電子デバイスなどの売上が増加したものの、リチウムイオン電池やデジタルカメラなどの価格下落の影響で減収となった。営業利益は同14%増の310億円としており、三洋電機取締役常務執行役員の松葉健次郎氏は「コストダウンに努め、減収影響をカバーし増益となった」とした。
特に落ち込みを示したのはデジタルカメラやテレビ、プロジェクタなどの映像機器を持つデジタルシステム部門だ。売上高が同13.3%減の2331億円、営業利益は同62億円マイナスの25億円に止まった。松葉氏は「販売台数ではテレビは前年より増加しており、プロジェクタは前年並み。しかし価格下落が厳しく大幅な減収となった」と理由を話す。
合わせて減収減益となったエナジー部門では、太陽電池の国内増収効果で収益を確保したものの、二次電池の価格下落幅が大きく、部門全体での売上高は同3.2%減の3117億円、営業利益は同35億円マイナスの139億円となった。二次電池の価格下落に関しては「年間ベースで10%強と見ている。韓国メーカーが価格を非常に下げてきており、それが販売と収支に影響を及ぼしている。ただし、太陽電池は2009年度に比べ増益になっており、電池事業トータルで見ても赤字ではない」(松葉氏)とした。
一方好調に推移したのは、IT関連市場の回復により、光ピックアップやキャパシタが堅調に推移した電子デバイス部門と、カーナビ、カーオーディオなどの車載機器、冷蔵庫、掃除機などの生活家電を有するコンシューマエレクトロニクス部門。「コンシューマエレクトロニクスは、車載機器の増益に加えて、炊飯器、掃除機、電動ハイブリッド自転車など、付加価値の高い生活家電が黒字基調を継続した」(松葉氏)という。
また2010年に発売を開始し、予想を上回る引き合いから12月1日以降、受注を見合わせている「GOPAN」に関しては「4月からは生産能力を現在の2倍に増やして、来期以降もさらなる増販をしていきたい」(松葉氏)と期待を寄せている。
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