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SCEがプレイステーション事業の次の一歩--コードネーム「NGP」公開、Androidでのゲーム提供も

岩本有平(編集部)2011年01月27日 20時49分
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 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は1月27日、自社イベント「PlayStation Meeting 2011」を開催した。イベントでは携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル」(PSP)の後継機となるコードネーム「Next Generation Portable(NGP)」や、クロスプラットフォーム戦略「PlayStation Suite」などが発表された。

 PlayStation Meetingは2005年以来、約5年半ぶりの開催となる。イベントに登壇したSCE代表取締役社長兼グループCEOの平井一夫氏は、初代のPlayStationからPLAYSTATION 3(PS3)までを提供してきたことで、「リビングルーム中心に楽しんでいただけるのはわれわれの誇り」と説明。そして、PSPでは「あらゆる年代人種に、リビングを出て、いつでもどこでもコンピュータエンタテインメントを楽しめるものにしていきたいという思いも1つ1つ現実にしてきた」と語った上で「プレイステーションが実現しようとしている新しい世界をお話しする」とした。

 平井氏は、SCEの戦略について「Home」「Cross Platform」「Portable」という3つの観点から説明した。まずHomeでは、PS3の現状について語った。2009年9月にデザインを一新し、2010年4月にはシステムアップデートで3Dコンテンツに対応。オンラインサービス「PlayStation Network」の提供により、現在PS3のネットワーク接続率は80%を超えている。また登録アカウントは1月25日時点で6900万を突破。52カ国、10の言語で展開。ダウンロードされたコンテンツ総数は14億に上る。「多くの圧倒的な支持を受けている。我々の目指す方向性が正しいという力強い裏打ち」(平井氏)

 次のCross Platformでは、携帯型ゲーム機を取り巻く環境にふれ、「PSPを発売した当時から全く様変わりした」と語る。携帯電話に加えてスマートフォン、タブレットなどの多機能端末でゲームを楽しむユーザーは増加している。「この拡大する市場は無視できない。変革するマーケットにしっかり答えていくのはプラットフォームホルダーの義務」(平井氏)

 これに対してSCEが打ち出したのが「PlayStation Suite」だ。PlayStation Suiteでは、Android OS搭載端末にプレイステーションのコンテンツを提供していく。「我々にとって初めてのクロスプラットフォーム、クロスデバイスの戦略」(平井氏)。

 携帯電話向けの新しいフレームワークを提供するほか、「PlayStation Certified」と呼ぶライセンスプログラムを展開していく。ロゴやブランドのライセンスを提供するほか、品質テストやさまざまな開発支援を展開していくという。まずは初代PlayStationタイトルのエミュレーション機能を提供していく予定。「オープンなAndroid上でプレイステーションクオリティのゲームを制作できる環境ができた」(平井氏)。提供されるゲームフレームワークはハードウェアに依存せず、比較的簡単にゲームコンテンツを制作できるのが特長だという。

 PlayStation Suiteでのコンテンツ提供では、クロスデバイス展開を予定している。「さまざまなデバイスからストアで一元的に購入し、ダウンロードして遊べるようになる」(平井氏)。年内にもサービスの開始を予定しているという。

 三点目に掲げるのが「Portable」だ。平井氏はPSPの成功を背景に「没入感を持って楽しめる究極のエンタテインメント体験を提供するのは我々の使命」と説明。そして実現のためには「統合されたシステムが不可欠」と語り、PSPの後継機となるコードネーム「NGP」を発表した。

SCE代表取締役社長兼グループCEOの平井一夫氏 コードネーム「NGP」を持つソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役社長兼グループCEOの平井一夫氏

 NGPはマルチタッチ対応の5インチ有機ELディスプレイに、同サイズの背面タッチパッドを搭載。アナログパッドもこれまでのスライド式からPS3同様の倒し込める方式に変更している。ゲームメディアはフラッシュメモリベースの専用カードを採用する。詳細なスペックは以下の通り。

  • CPU:ARM Cortex-A9 core(4 core)
  • GPU:SGX543MP4+
  • 外形寸法:幅:約182.0mm×高さ18.6mm×奥行き83.5mm(予定、最大突起部除く)
  • スクリーン:5インチ(16:9)、960×544、約1677万色、有機ELディスプレイ、タッチスクリーン(マルチタッチパッド、静電容量方式)
  • 背面タッチパッド:マルチタッチパッド(静電容量方式)
  • カメラ:前面カメラ、背面カメラ
  • サウンド:ステレオスピーカ内蔵、マイク内蔵
  • センサ:6軸検出システム(3軸ジャイロ・3軸加速度)、3軸電子コンパス機能
  • ロケーション:GPS内蔵、Wi-Fiロケーションサービス対応
  • キー・スイッチ類:PSボタン、電源ボタン、方向キー(上下左右)、アクションボタン(△、○、×、□ボタン)、Lボタン、Rボタン、左スティック、右スティック、STARTボタン、SELECTボタン、音量+ボタン、音量−ボタン
  • ワイヤレス通信機能:3G、IEEE 802.11b/g/n(Wi-Fi)(インフラストラクチャモード/アドホックモード)、Bluetooth 2.1+EDR準拠(A2DP/AVRCP/HSP対応)

 会場では、タッチスクリーンとタッチパッドを使って、ゲーム内のキャラクターをあたかもつかんでいるような操作などのデモンストレーションが行われた。「ゲーム世界をそのまま触る感覚」(平井氏)。なお3G通信については、利用する携帯電話事業者や通話機能の有無などは明らかにされなかった。発売日は明らかにされなかったが、年末を予定しているという。

 このほかイベントではNGPに搭載するコミュニケーションツール「LiveArea」や、今ユーザーがいる周囲で、ほかのユーザーがどんなゲームで遊んでいるのかを知るロケーションサービス「Near」などが紹介された。

 また、サードパーティからカプコンの竹内潤氏、セガの名越稔洋氏、コーエーテクモゲームスの鈴木亮浩氏、コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫氏らが登壇。それぞれデモを披露しつつ、PS3からNGPへの移植の容易さ、タッチパネルやタッチパッドといった新デバイスの可能性などが語られた。

  • こちらがNGPのインターフェース

  • コミュニケーションツール「LiveArea」

  • ロケーションサービス「Near」

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