2010年にビジネス界を支配した重要な技術トレンドの多くは2011年も加速を続けるが、その一方でいくつかの新たなトレンドも台頭してきている。
この記事では、ITリーダーや技術ベンダーと交わした会話や、この業界の最近の状況を観察した結果に基づき、企業が2011年に注目すべき5つの技術トレンドを紹介していこう。
2010年には、驚くほど多くの企業が、長期にわたる内部テストを実施し、Appleを説得してセキュリティとIT管理の容易さを向上させて、ようやくiPhoneの採用を始めた。これには、これまでBlackBerryの牙城だった、セキュリティに対する意識の非常に高い金融サービス業界の企業も多く含まれていた。
iPhoneのテストは、企業によるiPadの試用や展開にも道を開いた。この動きは2011年も続くと見られる。というのも、エンタープライズ向けスマートフォンの古参メーカーであるBlackberryは、iPhoneの使いやすさに対してほとんどなすすべがない状態だからだ。
皮肉なことに、iPhone/iPadが壁を突き破ったことが、多くの企業のAndroidスマートフォンの実験やAndroidタブレットの展開への道をも開いた。iPhoneと同じように、AndroidもExchange ActiveSyncを通じて接続でき、Googleもセキュリティや管理しやすさの面で、企業のIT部門を満足させるような修正をしている。それに加え、Androidのスマートフォンは値引き幅も大きく、BlackBerryに慣れたユーザーにも使いやすい、ハードウェアキーボードのついたMotorola Droid Proなどのデバイスも利用できる。
クラウドコンピューティングをこのリストに加えてもよかったのだが、この用語は広まりすぎて陳腐になってしまっており、あまり意味がなくなっている。これはまた、単なるトレンドの1つとしての域を超えた、インターネット越しにリソースを提供するという大きな動きの一部でもあり、今日のIT部門の多くの側面に影響がある問題だ。
クラウドの普及が直接的にもっとも影響を与えたことの1つに、IT部門がインターネット越しにサードパーティー企業(例:Salesforce.com)からアプリケーションを購入する方向に向かっているのに伴い、自社が持っている社内データセンターを縮小しているということがある。
データセンターを整理統合と縮小に向かわせている要因が、他に2つある。1990年代の分散サーバの流行は明らかに終わりを迎え、企業はより大きな(しかしずっと少ない数の)サーバを購入し、必要に応じて仮想化技術を使って多くの論理的なサーバに分割するようになった。
2、3年以内に起こるこのトレンドの次の段階では、一部の企業はサーバをまったく持たず、必要に応じてサーバ機能をレンタルする方向に向かうだろう。
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