チップメーカーNVIDIAの社長兼最高経営責任者(CEO)を務めるJen-Hsun Huang氏は米国時間1月5日午後、「2011 International CES」で基調講演を行った。NVIDIAは、今回のCESで大きな話題となっているモバイル技術と3D技術がもたらす可能性に有頂天な様子で、モバイル機器向けの「NVIDIA Tegra 2」プロセッサ、BMWおよびTesla Motorsの自動車に搭載される車内ディスプレイ、3Dコンテンツ共有サイト「3DVisionLive」などについて発表した。
Huang氏の基調講演はまず、Acerのタブレットコンピュータ「Iconis Tab」などのモバイル技術を中心に始まった。Android OSを採用したIconis Tabは、1GHzのデュアルコアプロセッサTegra 2を搭載するという。CESの開催期間中に、これからもTegra 2関係で一連の発表が予定されていると、Huang氏は語った。
Tegra 2が搭載機種の試作品と共に初めて発表されたのは、2010年のCESの席上だった。
Huang氏はまた、LG が12月に発表した「LG Optimus 2X」が、Tegra 2を搭載する最初の「スーパーフォン」になると発表した。同氏によれば、スーパーフォンとはスマートフォンを超えた次世代端末の呼び名だという。Androidを採用したOptimus 2Xはこの1月に韓国で発売の予定だが、今のところ米国発売の具体的な計画はない。
Optimus 2Xは、デュアルコアプロセッサを搭載する世界初のスマートフォンとなる。そのほかの仕様を見ておこう。メインカメラは8メガピクセルで、テレビ電話用に1.3メガピクセルのフロントカメラがついている。4インチ型のWVGAディスプレイを持ち、内蔵メモリは8Gバイトだ(microSDの追加で32Gバイトまで増設できる)。HDMI端子を搭載しているので外部ディスプレイに接続可能で、DLNAにも対応している。加速度計とジャイロセンサを搭載するほか、1080pのMPEG-4/H.264動画の再生と録画も可能だ。NVIDIAの記者会見では、Optimus 2Xは家庭用ゲーム機レベルのゲームにも対応できると宣伝されていた。このほか、NVIDIAとAdobeの提携によりFlash技術も搭載されているが、残念ながら満員の会場ではデモを行うだけの十分な帯域幅がなかったようだった。
NVIDIAは基調講演を、詳細はあいまいながら痛烈なIntelへの一撃で締めくくった。スーパーコンピューティング用の高性能プロセッサをARMと提携して開発する「Project Denver」だ。Huang氏は「コンピューティングの新時代」と呼んだが、それ以上は明らかにしなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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