Kaspersky Labs Japan(カスペルスキー)は1月5日、分析レポート「2010年の結果と2011年の予測」(日本語版)を公開した。2010年の傾向は2009年の傾向を受けたものでありながら、マルウェアの巧妙性がかつてない水準に達したケースが多かったとしている。
同社が2010年1月に公開したレポートでは、「PtoPネットワーク経由の攻撃の増加」「マルウェアによる被害が地球規模となる」「偽のウイルス対策ソフトの数は減少する」といったことを予測し、的中させているという。2010年のボットネットを含む多くのマルウェアは巧妙な技術を備えて複雑化しており、それは「Stuxnet」の出現により頂点に達したとしている。
また、2010年は“脆弱性の年”であるとし、ハッカーの関心の対象はMicrosoft製品の脆弱性からAdobeやApple製品の脆弱性へと次第に変化しているという。企業や工業設備を標的とした攻撃が活発化したほか、新しい傾向として、デジタル証明書が保証するソフトウェアの正当性において、その信頼性が失墜したことを挙げている。
これらの状況から、2011年はサイバー攻撃を画策する犯罪者の層と、その目的や手口に大変革が起きることが予想されるとしている。クレジットカード情報などの焦点を絞った攻撃は減少し、産業や国家を狙うスパイ行為がまん延するとともに、ウイルスの作成者や使用者の主な目的が、特定の人間や組織のプロフィール一式の収集に変化すると予想している。
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