チップメーカーのFreescale Semiconductorは、適切なタイミングで電力消費を停止するUSB充電器を開発した。
Freescaleは、米国時間1月6日から9日までラスベガスで開催される2011 International CESで、携帯電話などの小型電子機器向けにコンセントから電力を得る充電器の待機電力消費を抑えるシステム「Watt Saver」の出荷開始を発表する予定だ。
こうした充電器は、携帯電話などを取り外した後も依然としてわずかな電力を消費しており、比較的電力消費の少ないものでは1ワット未満、多いものでは5ワット以上を消費する。Freescaleのシステムは、携帯電話の充電完了や取り外しを検知し、その後の電力消費をゼロに減らすことができる。
AT&Tは2010年、Freescaleの技術を採用した「AT&T ZERO Charger Kit」(小売価格は29.99ドル)を発表した。Freescaleで消費者向けマーケティング担当ディレクターを務めるGlen Burchers氏によると、同社はすでにAT&Tと共同でシステムのテストを実施済みで、現在は他の携帯電話および電子機器メーカーとWatt Saverの採用について交渉中だという。
Watt Saverは、従来の充電器に3つのコンポーネントを加えたものだが、これらのコンポーネントは通常、電子機器メーカー自身ではなくサードパーティーの企業が開発している。
携帯電話が取り外されたことを検知するマイクロコントローラ、マイクロコントローラに電力を供給するコンデンサ、および電力を遮断する継電器を備えている、とBurchers氏は説明した。これらの追加コンポーネントを加えると、充電器の小売価格に約1ドルが上乗せされる。
Freescaleによると、Watt SaverはUSB出力を備えた充電器向けに設計されているが、この技術を使用するとさまざまな充電器で待機電力をなくせるという。
個人レベルでは、待機電力をゼロに削減することの節約効果はそれほど大きなものではなく、おそらく1年間で1ドルにも満たないだろうと、Burchers氏は述べた。ただし、すでに40億台の携帯電話が使用されており、さらに年間14億台が販売されていることを考えると、個々のわずかな節電が全体で大きな違いを生むことになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」