従業員はこれまで、定年まで働き、その後はゴルフやその他の趣味に精を出すというのが一般的だった。われわれの社会は現在のところ、年輩の従業員にあまり価値を置いていないが、筆者はそういった状況が変わっていくと確信している。従業員の引退とともに、その貴重な経験や専門知識が失われることになる。ベビーブーマー世代はそれまでの世代とは異なり、定年後にも働く必要があり、働きたいという希望も抱いている。ただし、若い頃のようにがむしゃらに働くということをしたがらないだけなのである。ベビーブーマー世代が働き続け、年金以外の収入を得る道を模索するようになると、会社人としてのキャリアの終わりはこれまでのように明確ではなくなるはずだ。
年輩者を軽視していた世代が年を取り、自らがその立場になるというのは皮肉な話だ。もはや役に立たない、くたびれたタオルのような気分で朝を迎えるのは嫌なものである。ベビーブーマー世代は自らの存在価値を認めるよう要求するだろう。そして、彼らはそういった要求を通すための政治的な力も持っているのだ。
すべての職種に柔軟な労働スケジュールを適用できるわけではないが、もはや「ほかのみんながそうしているから」という理由で8時〜5時の労働が義務とはならない。ある週に40時間働き、次週は20時間の労働にしたい人もいるだろうし、月曜は午後2時〜午後11時まで働き、金曜は午前0時〜午前9時までの業務にしたい人もいるだろう。柔軟な労働によって、従業員はこれまで以上に働きたいときに働ける機会を得ることができる。雇用者はまた、結果的に労働時間が抑えられることで、より多くの労働要員を確保できるようになり、柔軟性を高められるだろう。請負業者や非常勤、臨時の従業員がこれまでより広範に活用されるかもしれない。インターネット労働者という新しい種類の労働が、次の大きな労働力となり始めるかもしれない。常勤労働者は、最もコストのかかる労働形態であることもあり、減っていくことになるだろう。
筆者は2000年、CSCのシンガポール、オランダ、オーストラリア、英国にある各オフィスの関係者とのミーティングに参加した。これが仕事上の付き合いの始まりとなり、そのほかのデータセンターにもわれわれが米国で開発したシステムを展開することになった。これは、来るべき世界の先駆けだったのだろうと筆者は考えている。
世界各国の有能なITプロフェッショナルが、企業のタスクやプロジェクトを達成するため、チームとして一丸となって働くようになるだろう。多国籍企業の同僚たちがより緊密に連携することで、効率を大きく向上させ、コストを抑えることができるだろう。これは、アウトソーシングではなく、クロスソーシングである。
本記事で挙げたトレンドには気をつけておく必要があり、さもなければ未来へと向かう激しい流れに取り残されてしまうことになりかねない。こうしたトレンドには、より少ないリソースでやりくりしたり、仕事の役割が変わったり、柔軟性が高まったり、もっとずっと急激な変化が起こったりといったことが含まれている。おそらく、あなたは、一連のキャリアの中でこうした変化のいくつかを目の当たりにすることだろう。変化を認め、他者よりも先に行動を起こすことで、厳しい労働環境においてもアドバンテージを取ることができるに違いない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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