今後の仕事とキャリアに影響を与える可能性のある10個のトレンド - (page 3)

文:Alan Norton(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子、編集部2010年12月21日 07時30分

#5:開発作業の減少とインテグレーション作業の増加

 少し前までは、どのウェブサイトもゼロから設計され、カスタムコードを用いて構築されていた。だが今では、経験豊富なウェブ開発者の手を借りずとも、一般に普及しているテンプレートを組み合わせてカスタマイズするだけで基本的なウェブサイトを構築できるようになっている。最近ではThe Wall Street Journalでさえもがウェブサイトの構築方法についての記事を掲載するようになっている。このため、単純なウェブサイトの構築しか行えない開発者がお払い箱になる日はそう遠くないはずだ

 新たに開発を行うのではなく、すでに存在している出来合いのモジュールを組み合わせるという選択肢が、今後は増えていくことだろう。インターネットにも無償のコードやソフトウェアが公開されている。在庫管理から人材管理までのほぼあらゆる業務向けの、さまざまなソフトウェアアプリケーションが成熟してきており、そのコストも低下してきている。開発者がこういった状況を生き抜いていくためには、他人の手がけたコードのインテグレーションを行い、最新のテクノロジを追いかけ続け、ちょっとしたカスタムコーディングが必要となるたまの機会を大切にするしかなくなるだろう。

#6:報酬格差の縮小

 平均的な労働者であれば、最高経営責任者(CEO)やその他の上層幹部の受け取る給与などの報酬についての不満をよく口にするはずだ。会社幹部らの報酬は、お話にならないほど現実から乖離してしまっているためである。AFL-CIOによると、2000年におけるCEOと平均的な労働者の報酬の比率は525対1であったが、格差はその後徐々に小さくなってきている。ペパーダイン大学のGraziadio Business Reportでは、これほど大きな格差とはなっていないものの、同様の傾向が指摘されている。こういった傾向は今後も続き、1980年代や1990年代に見られたような40対1や85対1といった比率に近付いていくだろう。

 世界的な景気後退の波が続く中、IT関連業務における地位別の報酬格差も各国で縮小していくはずである。

#7:従業員に対する権限委譲の拡大

 従業員たちには、自らの報酬が企業資産からどのようなかたちで支払われるのかについて、より大きな決定権限と、選択の自由が与えられるようになるだろう。例を挙げると、従業員に対する手当は以前、給与に組み込まれるかたちで支給されていたが、今後は自由に選択できるカフェテリアプランとして提供されるようになり、その選択肢も増えることになるだろう。また、マネージャー職に就いていない要員に対しても、業務の運用に関して、あるいは意志決定プロセスにおいてより大きな発言権が与えられたり、日々の重要な決断をマネージャーの承認なしに下す権限が付与されることになるだろう。

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